加工でん粉が気になり調べている方向けの記事です。本記事では、加工でん粉の具体的な役割と危険性について解説します。
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✔本記事の内容
この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営しています。
オーガニックと食に精通した僕が書く記事なので、記事の信頼性は高いと思います。
この記事の目次
【教えて】添加物の欄に表示される加工でん紛:でん粉との違いは何?
パン、スナック菓子、ケーキなどの生菓子、ドレッシング、冷凍麺類、ホットケーキミックス、ジャム・・・
これ、全部、加工でん粉が含まれる食品たちです。以下、日本人なら必ず、口にしている加工でん粉に迫ります。
・加工でん粉とでん粉の違い
通常、でん粉と呼ばれるものは、とうもろこしや小麦、じゃがいもなどを原料にしたもので、化学物質を加えられずに抽出された天然でん粉です。
これに対し、加工でん粉とは、この天然でん粉に化学物質を加えて加工したでん粉のことです(厳密に言えば化学物質で加工しない、酸化でん粉が1種類だけあります)。
・でん粉に化学物質を加えて加工する理由
上記を見て、「なぜ、わざわざ天然でん粉に化学物質を加えて加工する必要があるの?」と思ったあなたは鋭い。
天然のでん粉は、熱を加えたり冷凍したりする過程で、粘りが失われたり硬化したりします。
要は、食品の製造や加工の段階で適さない場合が多いのです。
これを改善するために、化学的にでん粉の構造を変える化学的な処理などを行った、加工でん粉が必要になるのです。
・加工でん粉の表示は/以降の添加物の欄
加工でん粉は、天然でん粉とは異なり人為的に化学物質で加工しているので、食品添加物に分類されます。
添加物の表示を見ると、加工でん粉は一番前に記載してあることが多いです。食品表示では、「原材料名を、使用した原材料の順に表示する」というルールがあります。
つまり、一番前に記載してあるということは、その食品の中で一番多く使われていることを意味します(上画像)。
それほど、加工でん粉は、多くの食品に多用される食品添加物なのです。
※食品表示の見方については、以下の記事で詳しく記載していますのでご参考下さい。
・加工でん粉とは「それらしい」食品を作るための添加物
加工でん粉を一言で説明するならば、「消費者が求める美味しい食品を「それらしく」作る添加物」です。
加工でん粉には、以下のような目的があります。
これらは、美味しく見栄えがいい食品を作るための必須条件ですよね。
以下、2つの食品について例を上げ、なぜ、企業が加工でん粉を使用するのかを具体的に解説します。
食品企業の利益を得る方法も、僕ら消費者は知っておく必要があります。
⇒【実例1】激安四角もちと加工でん粉
ドラッグストアなどに行くと、四角に角切りされたお餅が安くで売っています。その多くは、海外から輸入したものやくず米を使って作られます。
元々安い原材料なので、質が低くもちもち感がでません。そこで、加工でん粉を使ってモチモチ感を演出するのです。
国産の安全なもち米を使うと原価が高くなるので、安い原材料を使って添加物でそれらしく味を整えるのです。
⇒【実例2】冷凍うどんと加工でん粉
冷凍うどんが美味しく感じる大きな理由はもちもち感です。冷凍うどんでも、加工でん粉は、もちもち感を演出してくれます。
また、冷凍の過程でもちもちした食感が失われてしまうのを防ぐ意味でも、使用されています。
冷凍どんは加工でん粉によって、消費者が喜ぶそれらしい食感を作りだすことに成功しています。
加工でん粉の2つの危険性
この記事を読んでくれる方は、加工でん粉の危険性についても気になると思います。ここでは、加工でん粉の危険性を2つ紹介します。
・【危険性1】加工でん粉の原料は遺伝子組み換え作物
加工でん粉は、植物から抽出した天然でん粉に化学物質を加えたものです。
現在、その天然でん粉は、トウモロコシから作られるコーンスターチが大半です。
食品企業は利益を追求しなければ存続できないので、原材料の価格を出来るだけ抑える必要があります。このため、加工でん粉の原材料の多くは、アメリカから輸入したトウモロコシを使用します。
農林水産省によると、日本のトウモロコシの輸入状況は以下のとおりです。
このように、僕らは、知らない間に「加工でん粉」から遺伝子組み換え原料を口にしています。
遺伝子組み換えの危険性については、以下の記事で解説していますので興味のある方はご覧ください。
・【危険性2】加工でん粉に加えられる危険な化学物質
基本的に加工でん粉は、「加工でん粉」としか表示されていません。でん粉に加えられる化学物質に、何を使っているのか分からないのです。
安全性に疑問があるということで、幼児向け食品への化学物質の使用を禁止している国もあります。
しかし、日本は禁止している化学物質がないので、海外では禁止されている化学物質が、お子様の口に入っている可能性も否定できません。
さらに、日本では加工デンプンに法令上の使用基準が、設定されていません。
なので、様々な食品に使用可能ですし、添加量の規制もないので、あらゆる食品にいくらでも添加できます。
まとめ:添加物とは上手に付き合うしかない
安い原材料から「いかに風味や香り、歯ごたえや見た目を整えるのか」。
ここを上手く調整できるかが、企業が得る利益の分かれ目です。
そして、その道具として使われるのが加工でん粉の様な食品添加物です。
今日、解説した加工でん粉もそうですが、食品添加物は体にとって「いいもの」ではありません。
しかし、「食べたらすぐに死ぬ」というような、危険なものでもありません。今の時代に、添加物を完全に避けて生活することは難しいのです。
なので、自分でしっかりと添加物に関してリスク管理をする必要があります。
そして、しっかりリスク管理が出来ていれば、問題なく健康に生活できます。
そのリスク管理の方法を以下の記事にまとめていますので、興味のある方は参考にして下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。