
✓記事の想定読者
・アニマルウェルフェアは、消費者にも関係があるのかな?
・アニマルウェルフェアが広がるために、消費者(自分)ができることは何かな?
本記事は、上記のような疑問を抱えている方向けの記事です。
✔本記事の内容
この記事では、以下のようなことが書かれています。
・アニマルウェルフェア進展の鍵は消費者

・求められる消費者の責任【できることはエシカル消費】

・【提案です】アニマルウェルフェアの理解は食育

✔記事の信頼性
この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営しています。
オーガニックと食に精通した僕が書く記事なので、記事の信頼性は高いと思います。
この記事の目次
アニマルウェルフェア進展の鍵は消費者
日本でアニマルウェルフェア(家畜福祉)が進まないのは、有名な話です。理由は、僕ら消費者側にあります。
・アニマルウェルフェアを進展させる鍵は消費者である根拠
そもそも、「アニマルウェルフェという言葉すら聞いたことがない」。日本ではこんな消費者がかなり多いです。
「かなり多い」はちょっと抽象的過ぎましたね。
東京都市大学環境学部が、「消費者と企業にアニマルウェルフェアに関する意識調査」を行っています。
⇒消費者の9割がアニマルウェルフェアを知らない事実

グラフを見ると約90%の消費者が、アニマルウェルフェという言葉すら認知していないことが分かります。
⇒ちなみに企業はアニマルウェルフェアを知っている

この調査では食肉や卵を扱う企業に対しても、同時に調査を行っています。
消費者とは反対に、約8割がアニマルウェルフェアを重要な課題として認識しています。
「味の素」や「明治乳業」などの大手企業は、アニマルウェルフェアに配慮した原料調達を、会社としても決めているようです。
・アニマルウェルフェアが進まない=生産現場が消費者から遠い
企業や農家はアニマルウェルフェアを知っていて、消費者が知らない理由。
考えてみると、消費者から生産現場が遠くなったからだと思っています。
「スーパーに買物に行けば何でも揃っている=食材の調達手段が簡単になった」影響で、昔と違って食卓と生産現場は遠く離れてしまいました。
一度、「バタリーケージ」、「妊娠ストール」と検索窓に打ち込んで調べてみて下さい。
きっとそこには、あなたの知らない世界が広がっていて、アニマルウェルフェアを考えるきっかけになると思います。
求められる消費者の責任【できることはエシカル消費】
結論、アニマルウェルフェア製品を日本で広めるためには、エシカル消費が必要です。
エシカル消費をご存知ない方は、上の動画をご覧ください。
・【具体例】エシカル消費を無視=世界の諸問題を助長する
エシカル消費とは要するに、「世のため、人のため、地球のためになる買い物の仕方」です。
ポイントは、商品からは見えないところも考えた消費です。
以下のように、僕たちの消費活動が、世界の諸問題を引き起こしています。
一見、何の関係もないところで、僕らの消費が世界の問題とつながっています。
動画は、バナナの例ですが、アニマルウェルフェアもエシカル消費に含まれます。
激安のお肉や卵を僕たち消費者が支持することで、飼育環境を劣悪にして家畜の苦しみを助長することになります。
・世界がエシカル消費に向けて動き出した:持続可能な開発目標

エシカル消費は、世界中が一丸となって取り組んでいます。
理由は、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、その中でエシカル消費に関係する12番目のゴール「つくる責任 つかう責任」があるからです。
「持続可能な開発目標(SDGs)」は世界を変えるための、2030年までに達成するべき17個の目標です。
お肉や卵については、アニマルウェルフェアを考慮した生産と、それを考慮したエシカル消費が求められています。
【提案です】アニマルウェルフェアの理解は食育

これは僕からの提案です。アニマルウェルフェアやエシカル消費について本当に理解したければ、食育が大事です。ぜひ、畜産現場を見学して下さい。
手順は以下のように、とてもシンプルです。
※ここでの「食育」とは子供だけでなく、大人も含めた食育です。
・【手順1】日々の消費について深く考えてみる
・なぜ、食べる前に「いただきます」と手を合わせるのか?
・ご飯時に食べるお肉や卵は、どのように飼育されているのか?
「食育」といった難しいことは考えずに、まずは、日々、当たり前に行っている消費活動について、冷静に考えてみましょう。
・【手順2】アニマルウェルフェア対応の農場を見学
次に、生産者に連絡し見学をお願いしてみます。豚、牛、鶏と畜種は何でも構いません。
「放牧」、「アニマルウェルフェア」、「農場」、「抗生物質不使用 肉 卵」などのキーワードをもとに、見学する農場を調べてみます。
防疫上の観点から、断られることもありますが、基本、生産者は喜んで対応してくれるはずです。
なぜなら、一般の生産者とは違う特別な飼育をしている自負があるからです。彼らは消費者に生産環境を知って欲しいと思っています。
ちなみにですが、僕も農場見学をしながらお肉や卵に詳しくなっています。農場での食育が「どんな感じか気になる方」は、以下の記事を参考にして下さい。
>>「いただきます」の意味を考える!食事の前になぜ手を合わせるのか?
まとめ:コスパ重視の消費に終止符を打とう
日本のアニマルウェルフェアは海外と比較してもかなり遅れています。そして、日本のお肉や卵は海外からも非難されています。
結局、僕ら消費者が「安い肉や卵を求め、購入する」という行為を止めない限り、アニマルウェルフェアが日本で進むことはないでしょう。
コスパ重視の消費活動は、生産者、消費者、飼育される家畜全てが不幸になります。
これは、国としての力が低下する大きな問題でもあります。
日本人もそろそろ、コスパ重視の買い物から、エシカル消費重視へシフトする必要がありますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。