進まぬ日本のアニマルウェルフェア:消費者が握る進展の鍵

日本のアニマルウェルフェアが進まない理由や、消費者として考えるべきことを探している方向けの記事です。

★アニマルウェルフェアはなぜ、日本で広がらないのだろう?

★私達消費者がアニマルウェルフェアのためにできることは何?

記事ではこのような疑問や悩みに答えます。

結論から言えば、アニマルウェルフェアが日本で進展するための鍵は、僕や記事を読むあなたが握っています

□■この記事を読んで分かること□■

・アンケート調査から、日本人の多くはアニマルウェルフェアという言葉すら知らない

・私達の日常の買い物のあり方や食育が、アニマルウェルフェアが日本で進展する鍵となる

この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営していて、お店で使うお肉はアニマルウェルフェアを考慮したものを使っています。

業務の中で日常的にアニマルウェルフェアについて調べているので、記事の信頼性は高いと思います。

それでは、早速話を進めていきましょう。

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消費者と企業のアニマルウェルフェアに関する意識

日本のアニマルウェルフェアは遅れていると言われていますが、具体的な数値を持って説明することは難しいです。

調べてみると、東京都市大学環境学部の枝廣研究室が、消費者と企業にアニマルウェルフェアに関する意識調査を行っていることが分かりました。

貴重な調査結果なので、この記事でも紹介したいと思います。調査結果の詳細は東京都市大学環境学部の枝廣研究室のウェブサイトをご覧ください。

日本人は9割が知らない「アニマルウェルフェア」

データ画像:東京都市大学環境学部の調査結果を基に管理人が編集

             

一般の人々にアニマルウェルフェアという言葉を、聞いたことがあるかを尋ねたところ、意味を知っていた人は 323 人中1人しかいませんでした。

9割近い人は「アニマルウェルフェアという言葉を聞いたことがない」のが、日本の現状であることがわかりました

プレスリリース:9割の人が知らない「アニマルウェルフェア」引用

企業は必要性を感じているが取組みは不十分

データ画像:東京都市大学環境学部の調査結果を基に管理人が編集

サンプルは少ないですがアンケート調査結果から、言葉すら知らない消費者とは対照的に、企業はアニマルウェルフェアを「事業に関わる課題として認識している」ようです。

以下引用です。

「担当者がいない」「対応を検討しはじめた段階」「取引先との関係があるので難しい」などの理由から、回答しない又は、社名を公表しないとした企業も多くあり、アニマルウェルフェアが企業にとって、対応が難しい問題であることが分かりました。

・・・・具体的な対応や取り組みには、至っていない企業が多いことが分かりました

プレスリリース:9割の人が知らない「アニマルウェルフェア」引用

【参考記事】

アニマルウェルフェアについて詳しく知りたい方は、以下の記事で紹介していますのでご参考下さい。

 ⇒⇒求められる家畜のアニマルウェルフェア!家畜の5つの自由を叶えよう

アニマルウェルフェアの進展の鍵を握る消費者

アンケート結果を一言で説明すると以下のとおりです。

多くの日本人は、アニマルウェルフェアという言葉すら知らず、企業はアニマルウェルフェアの必要性を感じているものの、特段対応はしていない。

これは一体、何を意味しているのでしょう?以下、調査結果の要因を考えてみます。

生産現場が消費者から遠くなった

実は、企業のアンケート調査の自由意見欄に「消費者の要望がないため取り組む必要性を感じない」とありました。

僕はまさにこれが、アニマルウェルフェアが日本で進まない一番の理由だと思うのです。

商売人の僕も含めて、市場経済の中で商売をする人間は消費者ニーズに敏感に反応します。

企業は、消費者ニーズがないことを事業に取り組んでも意味がないのです。消費者がアニマルウェルフェア畜産物を望めば、生産者やスーパーもアニマルウェルフェアに取り組むはずです。

それでは、なぜ、消費者ニーズが育たたないのか?理由は生産現場が消費者から遠くなったからです。

単に、家畜がどのように飼育されているのか知らないだけなのです。

お肉や卵はスーパーで購入するもので、スーパーに並ぶ前に命があったと理解できる消費者がどれくらいいるでしょう。

「スーパーに買物に行けば何でも揃っている=食材の調達手段が簡単になった」影響で、昔と違って食卓と生産現場は遠く離れてしまいました

私達消費者は家畜を飼育することはできませんが、せめて、買い物かごに入れる前に、「このお肉や卵は、心身ともに健康だったのだろうか?生きているときは幸せだったのか?」と考える癖をつけるのが大事です。

ネットには、今の日本の畜産現場の劣悪な状況がたくさん紹介されています。

このブログでは生々しくてとても紹介できないので、気になる方はグーグルの検索窓に、「バタリーケージ」「妊娠ストール」と打ち込んで下さい

きっとそこには、あなたの知らない世界が広がっていて、アニマルウェルフェアを考えるきっかけになると思います。

コスパ重視の買い物がアニマルウェルフェアを遠ざける

以前、僕がこのブログに書いた記事で、コスパ重視の食で日本の国力が低下することを紹介しました。

参考:安い食材に安い食事、コスパ重視の食で低下する日本の国力

これは決して言い過ぎではなく、実際に日本の畜産物は今、世界から批判されています

飼育方法があまりに酷く質の低い日本の畜産に対して、東京五輪に参加する海外の選手から批判の声が上がっているのです。

批判の詳細は、以下の記事にまとめていますのでご参考下さい。

私達消費者は、お肉や卵の価格ばかり気にするのではなく、そもそも、なぜ、お肉や卵が激安で販売できるのかを今一度考える必要があります。

・大量生産するために、狭い畜舎に家畜詰め込み飼育する

・人間の生産管理上の都合のために、無麻酔で家畜の体の一部を切除する

・家畜本来の欲求を満たさない不衛生な環境で飼育する

上記以外にもまだまだたくさんあります。これは、今、日本の畜産現場で行われていることで、アニマルウェルフェアの考え方と正反対です。

そして、このように飼育されたお肉や卵が激安品としてスーパーに並ぶことになります。私達日本人が購入しているお肉や卵の多くは、このように飼育されたものなのです。

消費者がコスパ重視のお肉や卵を求め続ける限り、日本でアニマルウェルフェアが広がっていくことは難しいでしょう。

アニマルウェルフェアの取組み関して、日本は世界とどんどん差がつきます。

アニマルウェルフェアの理解を深めるのは食育

僕ら大人だけではなく、子供にもアニマルウェルフェアについて、教えていく必要があります。食育をするのは学校ではなく、それぞれのご家庭です。

・なぜ、食べる前に「いただきます」と手を合わせるのか?

・ご飯時に食べるお肉や卵はどのように飼育されているのか?

「食育」といった難しいことは考えずに、このように、ごく当たり前のことを子供に話したり、見せたりすればいいだけです。

そうすれば、子供は必ず感じるものがあると思います。

子供への伝え方は簡単です。あなたのお住いの近くに、アニマルウェルフェアを実践している生産者を探し、農場を子供と一緒に見学するのです。

生産者は快く受け入れてくれるはずです。実際の飼育現場を目で見て、もう一度、グーグルの検索窓に「バタリーケージ」や「妊娠ストール」と打ち込んで下さい。

アニマルウェルフェア農場と、いそうでない農場のあまりの違いに驚くはずです

僕も、お店として食育活動に力を入れています。

昨年は、実際にアニマルウェルフェア農場の現場を見て、現場で鶏を解体して食べるといった食育活動を行いました。そのときの様子を以下の記事にまとめています。

まとめ

今日は、日本でアニマルウェルフェアが進まない理由を解説しました。

 

アニマルウェルフェアが進展する鍵を握っているのは、私達消費者です。

 

消費者が本気で市場に訴え始めると、国(政府)が本気で取り組むようになります。海外のアニマルウェルフェアが進んでいるは、国がしっかりバックアップしている面もあるからです。

参考:海外のアニマルウェルフェアの状況は以下の記事で紹介しています。

 ⇒⇒日本と海外のアニマルウェルフェアの現状【日本はかなり遅れてます】

 

いかかですか?今日から、スーパーで選ぶお肉や卵に対する考え方が少しは変わりませんか?

 

これまでに書いてきた内容を踏まえて、私はお店のお肉選びをしています。

アニマルウェルフェアに配慮した鶏肉について、以下の記事にまとめていますのでご参考下さい。

 ⇒⇒安全な鶏肉の選び方とおすすめ通販5選/かわいそうなブロイラー除く

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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