本記事では、「化学調味料無添加」を謳いながら、化学調味料にかわる「たんぱく加水分解物」と「酵母エキス」を使用する企業のからくりに迫ります。
✔本記事のテーマ
✔本記事の内容
・化学調味料無添加は食品企業が仕掛けた罠 |
・たんぱく加水分解物と酵母エキス謎と危険性 |
・化学調味料の使用は必要悪:イメージUP戦略が重要 |
この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営しています。
オーガニックと食に精通した僕が書いた記事なので、記事の信頼性は高いと思います。
この記事の目次
化学調味料無添加は食品企業が仕掛けた罠
結論から言えば、化学調味料無添加や化学調味料不使用という表示は、企業が消費者に仕掛けた罠です。
なぜ、そう言えるのか?理由は、「化学調味料に分類されない、化学調味料と似たような化学物質を使用しているから」です。
・化学調味料無添加の意味を考える
化学調味料とは、調味料(アミノ酸等)に代表されるように、昆布や鰹節などの天然素材から抽出されたうま味ではなく、うま味を刺激する物質を人工的に精製した調味料です。
最近では、化学調味料という言葉はあまり使われず、うま味調味料いう呼び方をしています。
そして、無添加とは添加していない状態です。
つまり、化学調味料無添加とは、「うま味を刺激する人工的に精製した化学調味料を、使っていませんということ」です。
「化学調味料不使用」と記載されていることもあります。
・利益がでない化学調味料無添加?
【食品企業が化学調味料を使う理由】
天然素材から時間とコストをかけてうま味を抽出するより、安く短期間に大量のうま味成分を得ることができるからです。
そして、天然素材のうま味を抽出するより確実に儲かる(利益がでる)からです。
それでは、化学調味料無添加にしたら「儲からなくなる(利益がでない)」ではないか?と思ったあなたは鋭い。
企業は化学調味料を使わなくても、ちゃっかり利益を確保する方法を考えます。
化学調味料無添加と謳っていても、決して効率悪い昆布や干し椎茸などから、うま味を取り出す訳ではないのです。
化学調味料のかわりに登場するのが、たんぱく加水分解物と酵母エキスです。
たんぱく加水分解物と酵母エキスの謎と危険性
最近の食品企業の表示の仕方や、商品名の謳い方がとても巧妙でずる賢いと思っているのは私だけでしょうか?
企業は決して、法律に反するような嘘はついていません。
しかし、意図的に健康に影響を与えるようなものを、全く食品に入れていないと誤解を与えるような表示や謳い方がとても多いのです。
・結論:たんぱく加水分解物は添加物でなく無添加表示でOK
結論から言うと、たんぱく加水分解物は「食品添加物」ではなく「食品」として分類されます。
なので、「食品添加物を添加していない=無添加」と言っても問題ないのです。
⇒たんぱく加水分解物とは何なのか?
たんぱく加水分解物は、コクやうま味を食品にもたらします。※何だか化学調味料と変わらない気がしませんか?
その作り方は動物(牛や豚、魚など)や植物(大豆や小麦など)のタンパク質を塩酸を使って分解します。
加水分解とあるので、水かお湯で分解するのかな?と思わせておきながら、塩酸のような劇薬を使っています。
塩酸でたんぱく質を分解する時に、身体にとってよくない物質が微量にできてしまうことも問題視されています。これを長期間摂取すると、腎臓に悪影響があるとか。
塩酸でたんぱく質を分解する時に、身体にとって、よくない物質が微量に出来てしまうことも問題視されています。
⇒たんぱく加水分解物が含まれる食品
インスタントラーメンやスナック菓子、納豆のたれ、焼肉のたれ、ドレッシング、シチュールー、ミートソース、レトルト食品、冷凍食品、せんべい等、今や様々な食品に使用されています。
たんぱく加水分解物を組み合わせると、例えば鶏肉を使っていなくてもチキン味を表現できるし、豚肉を使っていなくても、とんこつ味を表現できます。
・結論:酵母エキスは添加物でなく無添加表示でOK
結論から言うと、酵母エキスも、たんぱく加水分解物と同じで「食品添加物」ではなく「食品」として分類されます。
なので、「食品添加物を添加していない=無添加」と言っても問題ありません。
⇒酵母エキスとは何なのか?
酵母エキスは、酵母から抽出される強いうま味の調味料です。
酵母という名前がつくことから、天然由来で身体に良さそうな安心感を消費者に与えていますが、実際は違います。
ビールの廃液に含まれる酵母など、元々は産業廃棄物だった食品の残りカスに含まれるたんぱく質に、酸や酵素などを加え人為的にアミノ酸を作り出した調味料なのです。
だから、自然界に存在している酵母と、化学的に作られる酵母エキスは全くの別物です。
酵母エキスは、酵母のように自然界には存在しないものです。
タンパク質の分解過程で、分解しきれなかったタンパク質が原因となりアレルギー反応を起こすことが指摘されています。
⇒酵母エキスが含まれる食品
カップラーメンやドレッシング、だしの素など様々な加工食品に含まれています。
・たんぱく加水分解物と酵母エキスの危険性は味覚破壊
ここまでの話で分かるように、僕ら消費者は化学調味料無添加と思って購入しても意味がないことが分かります。
なぜなら、たんぱく加水分解物や酵母エキスなど、化学調味料と同じようなものが使われているからです。
しかも、たんぱく加水分解物や酵母エキスも少量で濃い味やうま味をだすことができることは、化学調味料と全く同じです。
なので、化学調味料を使わなくても、これらを含む食品に舌が慣れてしまえば、食材本来の味が分からなくなります。
つまり、これら2つの調味料に舌が慣れれば、化学調味料と同様に味覚が壊れる・狂うということです。
化学調味料の使用は必要悪!イメージアップ戦略が重要
大手食品企業は、たくさんの従業員を抱え、利益を出していく必要があるため便利でコストが安い化学調味料を使います。
可能な限り製造コストを抑えるため、昆布や干し椎茸から天然素材のうま味を抽出することなどできないのです。
結局、消費者のイメージをコントロールする方法に舵を切ります。
・巧妙な名称変更でイメージアップ
化学調味料→うま味調味料→調味料(アミノ酸等)。これら3つは全て同じ意味です。
そして、このような流れで呼び名が変わっていきました。
化学調味料は化学的な感じが否めず、消費者から敬遠されるようになると、うま味調味料に名称を変更します。
その後、調味料(アミノ酸等)に名称変更します。一般の消費者であれば、アミノ酸と聞くといかにも身体によさそうなイメージがありますからね。
それでも消費者が難色を示し始めると、今度は、たんぱく加水分解物や酵母エキスを使って、「化学調味料無添加や化学調味料不使用の表示」で消費者を安心させます。
【関連記事】
・このような食品企業を処罰できない
食品企業は何も知らない消費者を騙しているように見えます。でも、国はそんな食品企業を処罰することは出来ません。
なぜなら、企業はしっかりと定められた基準を守っているからです。
例え、化学調味料を使用しても基準を守り使用しています。
たんぱく加水分解物と酵母エキスも、国が「食品添加物」ではなく「食品」として分類しているのですから、嘘は全く無いのです。
まとめ:食品選びは自己責任
いかがでしたか?
もし、あなたが「化学調味料無添加」の食品を見つけたら、あなたが何を望んでいるのかをもう一度確認してみましょう。
化学調味料を一切使用していない食品を購入したいのであれば、たんぱく加水分解物や酵母エキスが含まれているものは購入しないことです。
国や食品企業は僕ら消費者に、「たんぱく加水分解物や酵母エキスは、化学調味料無添加を表示するために使っています。嫌なら買わないで下さい。」なんて教えてくれません。
最低限の安全性は基準で守られているのですから、後の食品選びは全て自己責任なのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。