本記事は「有機jas認証を取得して間もない」、あるいは、「今から取得を考えている」方で、jasで使う資材や種子に悩んでいる方向けの記事です。
前半に有機jasで使う種子や適合資材の考え方や紹介を、後半で適合資材の使い方などを解説します。
✔本記事のテーマ
✔記事の信頼性
この記事を書いている僕は、脱サラして3年後に、有機jas認証を取得した変わり者です。
記事で紹介する資材や種子を使って年間、約100品目の野菜を作っているため、信頼性は高いと思います。
✔本記事の内容
・有機jasで使う種子は有機種子が望ましい理由 |
・僕が使う有機jas適合資材はたった2種類 |
・効果的な有機jas適合資材の使い方 |
それでは、早速、話を進めて行きましょう。
おすすめの有機jas適合資材2つと有機種子【有機jasはこれでOK】
有機jas認証に挑戦しようと思ったとき、僕が、最初に困ったこと。
恐らく、この記事にたどり着いた多くの方が、僕と同じ悩みを持っているはずです。
以下、僕と同じ有機jasの初心者であるあなたに、有機種子と2つの有機jas適合資材の考え方を解説します。
<参考>
素人の僕が苦労して有機jas認証を取得した経緯を、以下の2本の記事にまとめています。興味のある方はご参考下さい。
⇒⇒失敗しない有機jas認証を取得する方法【僕の実体験です:1年目】
⇒⇒失敗しない有機jas認証を取得する方法【僕の実体験です:2年目】
・有機jasで使う種子は有機種子が望ましい理由
ぶっちゃけますと、有機jas認証では巷で言われているほど、種にはうるさくありません。
僕自身、有機jas認証申請で(有機種子でない)一般の種子で作った野菜も数種類ありましたが、不合格にはなりませんでした。
ただし、有機jas規格では以下の条件が定められています。
⇒種と苗に要注意!有機jas規格の条件
農産物の有機jas認証取得者のバイブルとも呼べる、「有機農産物 検証認証制度ハンドブック」には、以下のように書いてあります。
※言葉が難解なので、僕が分かりやすく解釈しました。
このように書いてあるため、出来る限り有機種子を使った方がよさそうです。
⇒有機種子はネットでまとめて取り寄せる
有機種子は一般の農家は使う必要がないため、近くのショップには置いてない場合が多いです。
なので、僕は以下のようなサイトから有機種子を、まとめてネット注文します。
ポイントなどを使いながら、年間の作付け計画分をまとめて注文しますすれば、送料負担も軽減できます。
有機の種の値段は高いですが、その多くは固定種で自家採種ができます。
なので、2年目以降は種を購入せずに済むので結局は安上がりかと。
⇒有機種子を使わなかったときは理由を記録
もし、あなたが有機種子を使わなかったら、その理由も記録に残しておきましょう。参考までに僕の記録を公開しますね。
もう一つ注意すべき点がありまして、有機の種子を使わなくても、できるだけ種子消毒の種を避けることです。
先程の、「有機農産物 検証認証制度ハンドブック」にも以下の記載があります。
慣行栽培由来の種苗も、化学合成物質による処理がなされていないものを選定する必要がある。
なので、僕は一般の種子でも、以下の写真のように出来る限り、薬剤が使用されていない種を選ぶようにしています。
・有機jas適合資材はたった2種類!年間100品目の野菜を作る
これで、種の問題は解決できましたね。次は有機jasで使う肥料の解説です。
ここで紹介する有機jas適合資材で、僕は年間100品目の野菜を作っています。
なお、有機jasで使用可能な適合資材でも、問題ありの資材もあります。完璧な有機農業を志している方は、以下の記事も参考にして下さい。
参考:【問題あり】有機jasの危険な有機肥料:有機jasの安全性と肥料の話
⇒原則、有機jas適合資材を使わないのが基本
意外と知られていませんが、有機jasでは外部から堆肥や肥料を購入して、農地へ投入することを認めていません。
自分で堆肥を作って、ほ場の微生物やミミズなどの力を借りながら土作りをしていくことが大原則です。
とは言っても、今まで化学肥料を使っていた畑には、地力がなく外部から栄養を足さないと野菜は育ちません。
僕は、教科書どおりに無肥料栽培を実践して、野菜が全く採れない大失態を過去に犯したことがあります。
興味のある方は、以下の記事をご参考下さい。
このようなことがあるためか、有機jas規格では、以下のように定めています。
これが、いわゆる有機jas適合資材と呼ばれるものです。
⇒有機jas適合資材は2つ購入すればOK+適合証明書も忘れずに
僕のような失敗を避けるためにも、有機農業の初心者であるあなたは、始めから有機jas適合資材を使うことをおすすめします。
ただし、慣行農業のようにガッツリ農地に有機jas適合資材を投入しては意味がありません。あくまでも、作物生育の補助として使うべきです。
僕は、以下のように考え、2つのだけ有機jas適合資材を使っていますが、問題なく野菜は育ちます。
1.作物の良好な成長の源である窒素成分
2.土壌矯正やミネラル補給に必要な石灰成分
以下、僕が使う有機jas適合資材を具体的に紹介します。
1.作物の良好な成長の源である窒素成分
僕は、「5.3なたね油かす粉末」を使っています。値段も手頃で多くの有機jas農家が使っている資材だからです。
僕は、Amazonで購入していますが、楽天ポイントがある方は楽天で購入するといいでしょう。
後、超重要なことですが、購入したら必ず、製造元に問合せて有機jas適合証明書を発行してもらいましょう。
有機jas適合証明書は、有機jas認証の申請に必ず必要となりますし、認証後にも毎年必ず報告を求められる重要書類です。
2.土壌矯正やミネラル補給に必要な石灰成分
僕は「シェルフミン」を使っています。貝化石なので問題なく土に優しいです。
こちらもAmazonで購入していますが、楽天ポイントがある方は楽天で購入するといいでしょう。
有機jas適合証明書は、以下のようになっていますので、安心してお取り寄せできます。
参考:「シェルフミン」の適合証明書
効果的な有機jas適合資材の使い方
「たった2種類の適合資材を購入するだけで、野菜や作ることが出来るのか?」あなたは、こう思ったはずです。
答えは「大丈夫。野菜は普通に作れます」です。
ただし、購入した適合資材にひと手間加えて使用しています。
・僕の有機jas適合資材の使い方【ぼかし肥料を作ります】
僕は購入した2つの有機jas適合資材を、そのまま畑にまくことはほぼありません。
自分でぼかし肥を作る際の原料にします。
ぼかし肥は発酵させた肥料なので、微生物を含み有機質肥料としては珍しく即効性があります。
作り方は簡単で、以下のとおりにすれば小学生でも作れます。
2~3ケ月後に袋を開くと、酸味の効いた甘い香りがします。
・堆肥も自家製、ぼかし肥料と併用
有機jas適合資材2つで作った、ぼかし肥料の他、もう一つだけ畑で使う資材があります。
それが自家製たい肥です。こちらも作り方は簡単。
コンポストを設置して、残飯(野菜くず等)がでたらコンポストに入れ、米ぬかをまいてかき混ぜます。
たまに、畑の土を入れながら、残飯を入れ続けます。これを繰り返すだけです。
上手くいけば、内部に熱を持つようになります。
自家製のぼかし肥料と自家製たい肥は、植え付け前に気持ち程度ちょっぴり、根本・株元付近に混ぜ込むだけです。
生育が悪い時や、葉が黄色くなりかけているときに、もう一度、ぼかし肥料を補助的に与えます。
その程度で野菜は問題なく立派に育ちます。
・自家製の「ぼかし肥料+自家製堆肥」:3つのメリット
メリット1.成分を調整できる:
自分の畑の必要な成分に応じて、肥料の成分割合を調整できます。
例えば、ぼかし肥料で言えば、米ぬか5kg→7kg、5.3なたね油かす粉末3kg→2kg、シェルフミン2kg→1kgにする等
メリット2.安上がりでeco:
ぼかし肥料は原料の多くは、コイン精米所からただで調達したものです。
僕は1回で10kgのぼかし肥料を仕込みますが、半分の5㎏はただで仕入れた米ぬかです。また、たい肥は通常生ごみとして捨てるものを、たい肥化するのでecoですね。
メリット3.自家製肥料は原材料を説明できる:
全て自分で作るため、肥料やたい肥の成分を一から説明できるようになります。
逆にデメリットは、手間と時間がかかることですかね。時間がかかり、使いたいときにすぐには使えません。
計画的に長期的視点で作っていく必要がありますが、これが本来の有機農業のやり方だと僕は思っています。
まとめ:慣行農業は肥料のやり過ぎ
記事で書いたやり方は、初めは不安でたまらないと思います。たった2種類の有機jas適合資材をちょっぴしか使わないからです。
化学肥料を使う慣行農業と比較したとき、使用するたい肥や肥料が半分以下に減ります。
しかし、たったこれだけの肥料やたい肥でも野菜は立派に育ちます。
恐らく、多くの方が、今まで肥料を与え過ぎていたことに気づくはずです。肥料の与え過ぎた野菜は、消費者にとってもよくありません。
参考:野菜の選び方を間違っていませんか?色の濃い野菜は栄養価が高い?
あなたも、シンプルに有機jas適合資材を使ったぼかし肥料と自家製たい肥で、有機野菜を作ってみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。