有機jasと無農薬の違いは何?【ずばり法律に基づく栽培か否かです】

有機jasの野菜と無農薬野菜の違いを調べている方向けの記事です。

★有機野菜は有機jasマークがついている野菜。じゃあ、無農薬野菜は有機野菜と呼べないの?

★有機野菜と無農薬野菜はどこがどう違うのか具体的に教えて下さい。

記事ではこのような疑問や悩みに答えます。

 

スーパーの青果コーナーに行くと、有機野菜や無農薬野菜と書かれた表示で、私達消費者は何がどう違うのか悩んでしまいます。

 

記事を読むことであなたは、以下のことに詳しくなるはずです。

・世の中には、法律に基づく有機野菜と、そうでない有機野菜の2種類ある。

・実は、この2つの有機野菜は、安全性の担保の面で雲泥の差がある。

 

 

この記事を書いている僕は、わずか6aの自家菜園級の畑で有機jas認証を取得し、子供の食と健康を専門にしたオーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営している変わり者です(笑)。

自分で実際に有機jasの認証取得し、有機野菜を栽培している人間なので、記事の信頼性は高いと言えます。

 

 

それでは、早速話を進めていきましょう。

 

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有機jasマークはずばり法律に基づく野菜

本題に入る前によく聞く質問から。

「有機とオーガニックは何が違うのですか?」とよく聞かれるのですが、有機=オーガニックです。ちなみにEUでは有機のことをBIOと言います。

 

結論から言えば、「有機」と表示して販売するためにはルールがあります。そのルールをしっかり守られなければ、「有機」と表示出来ないのです。

無農薬野菜には、そのようなルールはありません

 

 

有機jasマークが目印の本物有機

それでは問題です。

下のイメージ写真で、左のじゃがいもと右のじゃがいも、どちらが本物の「有機じゃがいも」でしょう。

袋には左も右も「有機じゃがいも」と書いてあります。

 

正解は左(Aさん)のじゃがいもです。

理由は「有機JASマークが付いているからです」。※ORGANIC – JAS-koaa-1189と書かれているものです。

 

実は、野菜でも果物でも、加工品でも「有機○○」や「オーガニック□□」と表示して販売するには、「あなたは確かに有機農産物を作る生産者です」と認証を受ける必要があります

認証を受けている生産者は、下写真のような証明書が交付されます。

有機JAS認証書(やさいの庭 Chiisanate)

 

認証を受けた生産者だけが、有機JASマークを農産物に貼って「有機○○」と販売出来るのです。

認証を受けた農家は、いくつもの細かな約束を守らなければなりません。

 

有機野菜は法律に基づく約束を守った野菜なのです

有機jasマークについては、以下の記事で詳細に解説しています。

 ⇒⇒有機jasマークがついた食品を購入前に、マークの意味や読み方を学ぼう

 

 

無農薬でも「有機じゃがいも」表示は法律違反?

ちなみに、右(Bさん)のじゃがいもは、袋に「有機じゃがいも」と書いてあっても正規の有機農産物とは言えず、むしろ、法律違反のじゃがいもになります。

 

右のじゃがいもは袋に「有機じゃがいも」と書いて売ってあっても法律違反?

 

認証を受けていない生産者が、有機jasマーク貼ったり、「有機○○」と表示して販売する場合は、最悪、法に基づき処罰されます(この法律はjas法と言います)。

 

有機jasマークがないのに「有機○○」と書かれてある野菜や、「無農薬野菜」は法律に縛られることはありません。

「自分が有機で栽培した」あるいは「無農薬で栽培した」と自身で思っている”あくまでも自称”なのです。

 

有機jasと無農薬野菜の具体的な違い

それでは、有機jasの野菜と自称有機や無農薬野菜は何が違うのでしょうか?

先程の2つの事例から、A(有機jas認証農家)さんとB(認証を受けていない農家)さんの有機じゃがいもの違いをお話します。

 

 

【事例1】肥料について

「ちょっと葉っぱが黄色く肥料分が足りないな~。ちょっぴり肥料をあげよう。」

 

農家なら、こんなことよくあります。

 

A(jas認証農家)さんは、事前に認証機関に届け出を出した有機質肥料「菜種油かす」を使用しました。

※この有機質肥料は、化学合成物の添加や遺伝子組み換えをしていないと証明されたもの。

 

B(認証を受けていない農家)さんは、ホームセンターで有機質肥料「菜種油かす」と書いてある肥料を購入して使用しました。

 

このAさんとBさんの対応の違いが分かりますか?

 

肥料として使うような「菜種油かす」は、遺伝子組み換えされたものが非常に多いです。

Bさんは、遺伝子組み換えされたかもしれない菜種油かすを、どこにも確認せず農地に投入しています

有機jasでは遺伝子組み換えされたものを農地に投入することは禁止されているので、Bさんの対応は有機jasの中ではOUTです

 

ですが、Bさんは、有機質肥料と書いてあるものを使ったので「有機じゃがいも」と表示して販売しています(これは法律違反です)。

 

 

【事例2】農薬について

「農薬は一切使用していません。」

有機農産物なら当たり前なのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?

 

A(jas認証農家)さんは、認証を受けるため、周りの農家が農薬を使っても影響を受けない距離にある畑で検査を受け、認証を受けました

B(認証を受けていない農家)さんのすぐ隣の畑には、別の農家が大豆を作っていて、よく農薬を散布しています。

 

AさんもBさんも自ら農薬を使っていないので、農薬不使用じゃがいもです

 

ですが、Bさんの場合、隣の大豆農家から農薬が飛んできてじゃがいもに付着しているかもしれません

でも、自身は農薬を使っていないので「有機じゃがいも」と表示しました(法律違反です)。

 

このように、「有機じゃがいも」と書いてあっても、有機JASマークが付いていない農産物は、農薬が付着しているリスクがあるのです。

 

 

いかがでしょうか?

同じ「有機じゃがいも」と記載があっても、jas認証農家のAさんと、そうでないBさんのじゃがいもは、消費者の安全に係る細かな点が異なっています。

 

ちなみに、Bさんのじゃがいもを「農薬不使用」と記載して販売するのは、問題ありません。

 

有機jas認証を受けた農家の苦労

上の2つの事例でもお分かりいただけと思うのですが、有機jas認証農家は日々、自己流が通用しない厳しい世界で農業を行い、jas法違反というリスクを背負って頑張っています

 

Bさんのように有機jas認証を受けていない一般の農家との違いは、以下の通りです。

 

・毎日、畑で行った作業の記録を付ける必要がある

 →これは、出荷した農産物で何か問題が生じたとき記録からすぐ遡及できるようにするため

 

・使用出来る肥料や農薬が限られている

 →これは、化学合成物の添加や遺伝子組み換え等で農地を傷めないため

 ※有機jasでも一応、使える肥料や農薬はあります。このことについては、別記事でお話します。

 

・年に1回、第三者からほ場の検査を受ける

 →記録や提出書類に嘘がないかを第三者の目で確認します。

何と、検査費用や検査官の交通費まで農家負担(自腹)です。

 

ここまでして、初めて有機jasマークを貼ることができ、「有機○○」と表示して販売出来るのです。

 

今後、スーパーでJASマークが貼られた農産物を見かけたら、今までとちょっぴり見る目が変わりませんか?

 

まとめ

日本の耕地面積の中で、有機栽培の畑の割合は約0.2%しかないのが現状です(認証を受けた正規の有機です)。

 

これだけ、細かな決まりごと(約束)があれば、どんな農家でも有機jasを取得したくはないでしょう。

しかし、その決まりごと(約束)を全て守り、第三者からの検査を毎年自費で払ってまで、有機jasの認証を受けている農家がいるのも事実です。

 

私は、有機jas認証を受けた有機農産物だったら、全てが無条件で最も安全とは思っていません。【以下の記事でその理由を解説しています】

 

しかし、jas認証を受けている農家は、普通の農家がしなくていい苦労を買ってまでしている点で、安全性に対する意識が非常に高く信頼出来ると思うのです。

 

消費者の皆様にも、その苦労を少しでも分かって欲しいと思っています。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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