有機野菜の味や栄養価の違いは?【結論:今と昔の野菜の違いです】

本記事のテーマ(説明画像)

✔記事の想定読者

・有機野菜の味や栄養価は、一般の野菜と違うのだろうか?

 ※他と比べて、有機野菜の安全性以外の違いを知りたい

・有機野菜は、一般の野菜より「味が濃い」と言われるけど本当なのか?

この記事は上記のような疑問を抱いている、有機野菜の効能に興味のある方向けの記事です。

✔本記事の内容

この記事では、以下のようなことが書かれています。

・有機野菜の味や栄養価の違いは?

有機野菜の味や栄養価の違いは?(説明画像)

・「有機野菜=昔の野菜」と考えれば、味や栄養価の違いが説明できる

「有機野菜=昔の野菜」と考えれば、味や栄養価の違いが説明できる(説明画像)

✔記事の信頼性

この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営している有機農家でもあります。

オーガニックと食に精通した僕が書く記事なので、記事の信頼性は高いと思います。

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有機野菜の味や栄養価の違いは?

結論から先に書きます。

有機野菜だから一般の野菜より味が優れ、栄養価が高いという事実はありません

期待して、この記事を読んでいる方は、がっかりしたかもしれません。

でも、このまま記事を読み進めて下さい。

以下に記載する様々な要因で、結果的に有機野菜の方が高い評価になるのです。

・有機野菜だから味や栄養価が高い訳ではない

実は、「スーパーで売られている多くの一般野菜は、味や栄養価が落ちている」と言う方が正しい答えです。

有機野菜が特別に味や栄養価が高いのではなく、比較対象の一般野菜が不味くなっているのです。

「有機野菜=昔の野菜」と考えれば味や栄養価の違いが説明できる

今の野菜はまずい。昔の野菜は美味しかった。」と、お年寄りが言うのを聞いたことがありませんか?

これ、事実なんです。

「今の野菜」を一般の野菜に、「昔の野菜」を有機野菜に置き換えるといいでしょう。

理由は、以下で解説します。

・【ポイント1】今の野菜は化学肥料や農薬で畑が死んでいる

ちょっと専門的になりますが、美味しい野菜のロジックです。

・ミネラルバランスの富んだ土壌

・ゆっくりと成長できる環境

今売られている多くの野菜は、この2つは実現するのが難しいでしょう。

理由は、化学農薬や化学肥料を使用するからです。

⇒昔は農薬や肥料がなく皆が有機野菜を作っていた

戦前の日本は、狙ったわけでなく皆が自然に有機農業をしていました

なぜなら、化学農薬や化学肥料を使用しなかったからです。

✓農家の知恵で、害虫退治や野菜の病気対策をする

✓堆肥を自分で作って、農地に投入し畑に栄養を行き渡らせる

当時、食する野菜はこうして育てられた有機野菜で、お年寄りが「昔の野菜が美味しかった」と言っている野菜です。

⇒戦後以降、日本の野菜は不味くなった

戦後になると日本には、化学農薬や化学肥料が入ってくるようになります。

※化学肥料や化学農薬は戦争と大きく関係していて、農薬は毒ガスの製造技術を駆使して作られ、化学肥料は戦争で使う爆弾を作る過程から生まれました。

これらを畑に投入するようになったから、畑から鳥が消えカエルや昆虫が消え、土壌微生物が消え、様々な生き物が消えてしまったのです。

参考:【激ヤバ】化学肥料のデメリットは3つの害:僕が有機肥料を使う理由

化学物質過多で、生き物の活動がなくなった畑で作られた野菜は、以下のようになります。

・ミネラルなどの畑の微量要素などが吸収できない

・野菜自体化学肥料による急速な成長で、正常な細胞分裂が阻害される

そのことによって野菜のキメの粗さなど、味や舌触りに大きな違いが生まれます

一方、有機野菜(正規の有機JAS認証)は、「化学的に合成された肥料や農薬の使用を原則禁止」しています。

要するに、有機野菜は戦前(昔)の野菜と同じ作り方なのです。

・【ポイント2】捨てられた味や栄養価:品種改良の功罪

人間にとって都合のいい野菜になるように、人為的に交配を重ねて調整することを品種改良といいます。

今では、多くの野菜が品種改良されていて、その結果として味や栄養価は失われています

参考:F1種に追いやられた伝統野菜~種から始まる本物の野菜~

⇒優先すべきは味より経済性重視の今の野菜

品種改良は市場が求める、定時(いつもでも)・定量(同じ量を)・定質(同じ品質で)を達成するためになされました

品種改良される前の野菜は、在来種(固定種)と言われ、昔からその土地に合った野菜が作られていました。

在来種(固定種)野菜の特徴は、味が濃い、成長がゆっくり、形が大小様々など、市場に流通させるにはとても難しい野菜です。

⇒品種改良の具体例【昔の野菜は死にました】

品種改良の具体例を以下に3つ挙げます。

✔味が濃いから品種改良で野菜臭さをなくす

品種改良すると、大根の辛味成分を弱めることや、人参から人参臭さをなくす、トマトから強い酸味をなくすなどが可能です。

つまり、現代人が好む野菜を品種改良で作り出すことができるのです。

なので、「昔の野菜は味が濃い」は本当のことです。

✔成長が遅いので品種改良で発芽揃いをよくし、一斉収穫できるようにする

品種改良しないと、例えば、収穫できるほど大きな大根もあれば、後10日ほど収穫を待つ必要がある大根もでてきます。

同じ時期に種をまいたはずなのに、一気に収穫することができないのです。

それでは困るので、短期間で一気に大きくなって一斉に収穫できるように品種改良されます

✔形が不揃いなので、品種改良で皆同じ大きさや形になるようにする

在来種(固定種)の野菜は曲がったり、まっすぐだったり、小さかったり、大きかったり、とにかく形が揃いません。

これでは、ダンボールに入れて出荷するに困るのです。

箱に無駄なスペースなく効率に詰め込むためには、均一な形で収穫される必要があります。

品種改良をすることで、これが改善されるのです。

上に書いた以外にも、特定の病気に強い品種を作るなどありますが、野菜本来の味や栄養価を失わせても市場が求める野菜となるように、人間自らが野菜をまずくしている実態があります

⇒有機野菜は品種改良されていない野菜も多い

これは、確実に言えることです。なぜなら、有機JAS規格の中で種や苗は、以下のように定められているからです。

原則として、有機農産物の生産方法の基準に適合する種苗を使用すること

つまり、正規の有機野菜では、有機栽培由来の種苗が使われる必要があるのです。

購入する種苗は有機栽培でない場合が多いので、多くの有機農家は自家採種(種を購入せず自分で採る)しているのです。

自分で種を採り品種改良していないため、味や栄養価が失われず残っているものが多いです。

・【ポイント3】土を使わずに育てられた野菜

最近は、水耕栽培ロックウール栽培と言って、土を使わずに生産される野菜も多いです。

また、太陽の光を一切浴びず工場の中で育てられる野菜もあります。

土がないとなぜ、野菜が不味くなるのかは、「【ポイント1】今の野菜は化学肥料や農薬で畑が死んでいる」で解説しましたね。

⇒有機JASでは土を使わない野菜を有機野菜と認めない

土中の微生物の力を使って育てられた野菜は、触ったり口に入れたりした瞬間に生命力を感じます。

僕らのようなプロの有機農家は、土を使って育てられた野菜か否かすぐに分かります。

有機農産物の日本農林規格は、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させることを生産の原則として定められていることから、水耕栽培及びロックウール栽培の農産物は規格に適合しません

したがって、有機JASマークを付すことはできませんし、指定農林物資に該当するため有機の表示もできません

出典:有機農産物及び有機加工食品のJAS規格のQ&A

上記のように日本の有機JAS制度でも、土を使わない野菜を有機野菜と認めていません

⇒そもそも季節外れの野菜は美味しくない

今の野菜が不味くなったもう一つの理由は、季節を問わずいつでも栽培できる環境が整っていることです。

参考:旬野菜で栄養を摂ろう~春夏秋冬、野菜には美味しくなる季節がある~

体がその野菜を求めていない季節に食べるから、美味しく感じないのです。

例えば、夏野菜は野菜自身が夏の暑さから身を守るために、水分が多く含まれる野菜です。

逆に人間は、この時期汗で大量の水分を体内から失います。

だから、水分がたっぷり含まれる夏野菜を食べて体内の水分を補給するし、食べたとき「美味しい!」と身体が感じてくれるのです。

冬にこれらの夏野菜を食べても、身体はそれを求めていないので美味しく感じるはずがありません。

まとめ:味や栄養価の高い有機野菜は流通しない

最後に、味や栄養価が高い有機野菜がどこ購入できるかを書いておきますね。

実は、このような野菜は流通していません(スーパー等にはほとんど置いていません)。

なぜなら、市場(消費者やスーパー)が求める野菜ではないからです。

このため、有機農家は自分で理解のあるお客様を見つけて販売するか、大手宅配会社と提携して野菜を発送する場合が多いです。

参考までに有機野菜の宅配について、まとめた記事も紹介しておきますのでご参考下さい。

>>有機野菜の宅配で一人暮らしの食を楽しむ【有機農家厳選の宅配3選】

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【ちょと宣伝】

記事書いている僕も有機農家で、お客様を自分で見つけて宅配しています。興味があれば、のぞいてみて下さいネ。

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