【一理あり】オーガニックは意味がない説:有機jasは規格を守ればOKか

本記事は「オーガニックは意味がない」と感じている、あるいは、「オーガニックって意味があるの?」と疑問を持っている方向けの記事です。

✔本記事のテーマ

本記事のテーマ(画像説明)

✔本記事の内容

・【一理あり】オーガニックは意味がない説:有機jasは規格を守ればOKか

【一理あり】オーガニックは意味がない説:有機jasは規格を守ればOKか(説明画像)

・市場経済に魂を売ったオーガニック

市場経済に魂を売ったオーガニック(説明画像)

・僕が有機jas認証農家として思う正直な感想

僕が有機jas認証農家として思う正直な感想(説明画像)

この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営しています。

記事を書いている僕自身が有機jas認証農家なので、記事の信頼性は高いと思います。

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【一理あり】オーガニックは意味がない説:有機jasは規格を守ればOKか

日本ではオーガニックのことを「有機」と言います。

つまり有機jas認証農家である僕は、どっぷりとオーガニックの世界に浸かっているのです。そんな僕が、「オーガニックは意味がない」と思うことがあります。

・オーガニックは意味がないと言われる理由

一般的に「オーガニックは意味がない」と感じる理由を前半で、「オーガニックの本当の意味」を中盤で、「有機jas規格について」を後半で解説します。

⇒オーガニックは意味がないと消費者が思う理由

消費者が「オーガニックは意味がない」と言う理由を整理すると、概ね以下のようになります。

・価格が高いだけで本当に身体にいいのか分からない(効果を感じることが難しい)

・オーガニックでも、一部、認められる農薬や化学肥料を使用できるので意味がない

・わざわざ、有機jasマークがついたオーガニック食品を買わなくても、安くて身体にいい食品はたくさんある

実はこれ、有機jas認証を取得する前の昔の僕です。これは全て事実で、あなたもこのようなことから「意味がない」と思っているはずです。

上記に関連する記事を以下でまとめていますので、興味のある方はご参考下さい。

⇒オーガニックは意味がないと農家が思う理由

一般の消費者だった僕は、脱サラして有機農家になりました。

農家になっても、その世界では以下のような理由で「オーガニックは意味がない」と感じている農家が、とても多い現実がありました。

・オーガニック(=有機)と名乗るためには、有機jas認証を取得する必要がある

・取得するためには農家が自腹で高い認証料金を払い、有機jasで定められた面倒な栽培記録を録る必要がある

・なので有機jas認証を取得せずに、自分も他の農家と同じく「農薬・化学肥料不使用」と謳っておけばいい

・このような理由から、わざわざ、有機jas認証を取得してまでオーガニック(=有機)を名乗る意味がない

これも全て事実で、このような理由から日本の農家は有機jas認証を取得するのを避けます

上記に関連する記事を以下でまとめていますので、興味のある方はご参考下さい。

・そもそもオーガニックとは?軽視されるオーガニックの本当の意味

上に説明したように、消費者と生産者それぞれの理由から、日本では海外のようにオーガニックが広がりません。

海外と日本の認識の違いは、「オーガニックの本当の意味」を理解しているかの違いです。

実はオーガニックとは、単に有機農業などの農法を意味しているのではありません。

以前の記事でも解説しましたが、オーガニックには4つの原則(「生態系」「健康」「公正」「配慮」)があります。

オーガニックに興味のある生産者と消費者は、オーガニックの4つの原則を理解しておく必要があります。

オーガニックの4つの原則は、以下の記事で詳細に解説しています。

4つの原則に沿って、オーガニックを広い意味で捉えると「オーガニックとは地球上の全ての生き物が幸せになる仕組み」であることが分かります。

この考えを基に、もう一度、先程の消費者と生産者の「意味がない理由」を振り返ってみます。

誤解を恐れずに言えば、消費者が「オーガニックは意味がない」という理由は、単に自身の健康や経済状況を気にしているだけです。

生産者が「オーガニックは意味がない」という理由は、単に生産活動における金銭的や肉体的な負担を気にしているだけです。

つまり、両者とも自己中心的なオーガニックで、オーガニックで重要な4つの原則が欠けているのです。

・有機jasは「規格だけを守っていればOK」の意味のないオーガニック?

オーガニックの4つの原則を理解して、日々、生産活動を行う有機jas認証農家は少ないです。

確かに、有機jasは守るべきことがたくさん定められた、規格や基準があります。

その基準は、使う種や苗やマルチなどの農業資材、そして畑で使用できる肥料や農薬、機械や作物の洗浄や栽培記録の作成と保管など、一般の農家と比べると比較にならないほど超厳しいです。

その結果、「有機jasの規格や基準を守りさえすればOK」と思っている有機jas認証農家がとても多い気がします。

このような基準の罠にはまってしまった有機農家は、以下のような行動をします。

・取引先に迷惑をかけるので、基準の範囲内でオーガニックでも使用できる農薬や肥料を使う

・堆肥などを自分で作ると効率が悪いので、外部から購入する

・少量多品目栽培では栽培効率が悪いので、儲かる同一作物を大量に作る

・鍬で耕していては作業効率が悪いの大型機械を使って撹拌する

このように、多くの有機jas認証農家が、国(jas法)が定めたオーガニック基準を守っている以外は、一般の農家とさほど変わらなくなります

オーガニックの理念や原則には反しますが、これらは有機jas規格に反していないのです。

僕が「有機jasは規格だけを守っていればOKの、意味のないオーガニック」と思うのは、このような理由からです。

市場経済に魂を売ったオーガニック

・本物のオーガニック農家は淘汰される

かつて家族経営のような小さな規模で成り立っていたオーガニック市場が、次第に消滅しています。

大手小売業者等が、このような零細オーガニック経営に価格を下げるように圧力をかけるようになったのです。

こうなると、零細農家は生産効率が低いため生き残りが難しくなります。

その結果、有機農業を辞めるか、規模を拡大した大規模オーガニック農家になるしか選択は残されていません。

しかし、小さい規模で大型機械などを使う必要がなかった有機農家が、規模拡大に対応するのは現実的に難しく、結局は、元々の大規模農家が基準を守るだけの有機農業になってしまう悲しい現実があります。

・偽物オーガニックが招く価格破壊という悲劇

さらに、偽物オーガニックは価格破壊という悲劇を招きます。

大手スーパーなどのバイヤーは、採算が取れないレベルまでオーガニック製品の価格を下げて納入するように、生産者やメーカーに強く要求します。

消費者や生産者だけでなく、オーガニック製品を扱う企業もまた、オーガニックの4つの原則の理解が欠けているため、自社利益のみを追求する自己中心的なオーガニックです。

価格が下ることは、消費者にとっては嬉しいことかもしれませんが、畑でオーガニック作物を作る農家や、オーガニック作物を加工する小さな企業からすれば死活問題です。

そして、国内だけでは留まらず、中国など低コストで大規模なオーガニック農場を展開している国から輸入を拡大するため、自国のオーガニック製品はさらに苦しくなります

このように、真面目にオーガニックに取り組む規模の小さな農家や企業は潰れていき、オーガニックを食い物にした一部の企業のみが栄えています

これが、本当にオーガニックを愛する人達から、「オーガニックは市場経済に魂を売った」と言われる理由です。

まとめ:僕が有機jas認証農家として思う正直な感想

結局、健全なオーガニックを広めるためには、消費者、生産者、企業の3者がオーガニックの4つの原則を理解することが大切です。

 

今、多くのオーガニック事業や消費は、自己中心的なオーガニックになっていて、オーガニックの本質である「地球上の全ての生き物が幸せになる仕組み」になっていません

 

僕は、有機jas認証農家ですが、僕にとっての有機jasは「守るべき最低限の基準」で、実際の生産活動はもっと広い視野を持つように努力しています。

決して、有機jas規格の基準だけをクリアして満足しているような、有機農家にならないてめにも・・・・・。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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