食品添加物との上手な付き合い方を、調べている方向けの記事です。
記事の前半では食品添加物との上手な付き合い方について。後半では、食品添加物と付き合う際に、知っておきたい認可の裏側について解説します。
✔本記事の内容
✔記事の信頼性
この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営しています。
オーガニックと食に精通した僕が書く記事なので、記事の信頼性は高いと思います。
食品添加物との上手な付き合い方【危険性はリスク管理で緩和できる】
「添加物は危険なので、一切口に入れたくない」ではなく、「添加物は避けられないので上手に付き合う方法を考える」。
恐らく、この記事にたどり着いたあなたは、このようなことを考えていると思います。
実は、その考えは間違っていません。記事では、その理由について、補足説明を入れながら具体的に解説しますね。
・【重要】添加物との付き合い方は摂取量を重視
食品添加物との付き合い方を考える上で一番大事なのは、「〇〇(添加物名)が体に悪い」ではなく、「〇〇(添加物名)の摂取量」です。
⇒【公式あり】添加物が含まれる食品リスクの考え方
一般的に「リスク=危険」というイメージがあるかと思います。しかし、食品に関してのリスクは、その食品が持っている有害性と摂取量(食べる・飲む量)によって決まります。
つまり、以下のように考えるのです。
危険な添加物を国が認可しているのは、この考え方を基にしているからです。
⇒使用される添加物の量(種類)で食品購入を判断
一般の消費者であれば、この公式をどのように考えればいいのでしょうか?
基本的に購入しようとしている食品に、添加物が含まれていても健康を害することはないでしょう。
なぜなら、添加物の使用基準が守られた商品しか、市場には流通していないからです。
しかし、添加物が含まれる下画像の醤油では、左を選んだ方がいいですね。理由は、右の方が添加物の種類(量)が多いからです。
後述しますが、多くの添加物が含まれる食品は、複合摂取の可能性があります。
※複合接種の問題:個々の添加物の安全性は証明されているが、同時に数種類の添加物を摂取したときに表れる、体への影響は証明されていない。
⇒公式では表せない味覚破壊のリスク
先ほどの公式、「食品のリスク=その食品の有害性×摂取量」は健康上の安全性を考慮したリスクです。
しかし、摂取量が多すぎると味覚障害という別の問題も起こります。
添加物の味覚障害については、以下の記事で詳細に解説しています。
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このようなことから、安全か否かに関わらず、定期的に添加物を体に取り込むことは、避けた方が良さそうです。
・食品にゼロリスクはない(=皆リスクを引き受けて付き合っている)
リスクがゼロの食品は存在しません。
例え、食品添加物が全く入っていない食品でも、微生物やその食品本来が持つ危険な物質など、リスクを招く要因があるためです。
あなたは、自分でも気付かないうちに、食品についてリスクの管理を行っています。
⇒【事例1】あなたが飲んでいる”アルコール”はリスクゼロ?
お酒はエタノールなので、一度に大量に飲むと急性アルコール中毒になりますし、常識を超えた毎日の飲酒は様々な病気を引き起こします。
でも、あなたを含めた多くの方がお酒を飲んでいますよね。
つまり、お酒には有害性がありますが、飲む量を常識の範囲に止めて自らの健康への影響リスクを管理しているのです。
「お酒のリスク=お酒の有害性×摂取量」の公式を、無意識のうちに当てはめています。
⇒【事例2】あなたが食べている”じゃがいも”はリスクゼロ?
多くの料理に使われる「じゃがいも」ですが、アルカロイドという毒性物質が含まれていることをご存知ですか?
大人は200~400mg、子供は20mg程度の摂取で吐き気や嘔吐や下痢などの症状が生じます。これ以上摂取すると、死に至ることもあるのです。
アルカロイドは、じゃがいもの芽や緑色の皮の部分に多く含まれていますが、皮や芽を極力取り除いて食べるといったリスク管理が行われています。
また、仮に、アルカロイドが完全に取り除かれていなくても、じゃがいもを一度に10~20kg食べる人なんていませので、健康上の被害がないのです。
「じゃがいものリスク=じゃがいもの有害性×摂取量」の公式を、無意識のうちに当てはめていますよね。
⇒添加物の過剰な報道に翻弄されず付き合うことが重要
一部週刊誌が「この添加物がやばい!」、「口にいれてはいけない添加物リスト」みたいな形で読者の不安を煽るように報道しています。
しかし、この論法でいけば、”アルコール”や”じゃがいも”も同じことになります。
このような報道は、「発がん性」など添加物単体だけの危険性を持ち出し、摂取する量の問題は論じていないのです。
添加物に関する偏った報道には振り回されず、摂取量を調整しながら上手く付き合っていくことが大切でしょう。
食品添加物と付き合う際に知っておきたい裏事情
確かに食品添加物は、言われているほど危険なものではありませんが、是非、あなたに知っておいて欲しいことがあります。
それは、食品添加物がどのように認可されるのかということです。
消費者として、このあたりまで知っておけば、添加物との付き合い方はより完璧なものになるでしょう。
・出回る添加物は国のお墨付き
膨大な数の食品添加物が存在していますが、国(厚生労働省)は安全性試験などの結果から、「この程度なら常識の範囲の摂取であれば、健康被害は問題ない」と判断したものを認可しています。
なので、市場に出回る食品(含まれる添加物)を食べてすぐに、癌など病気になることはまずありません。
・添加物の認可の裏側にも目を向ける
注意して欲しいのは、国や企業は「絶対安全」とは一言も言っていないことです。
確かに、国によって安全性の確認された食品添加物しか市場には出回りませんが、以下のような問題点もあります。
⇒添加物は一物質のみの試験
食品には色んな添加物が混じっていて、僕たちは一度に数種類の添加物を体にいれます(複合摂取といいます)。
このとき、複数の添加物と化学反応を起こし、「予期せぬ健康上の被害は発生しないのか」を証明する試験は行っていません。
試験された添加物単体は安全でも、複数の添加物が混ざり合うことによるリスクは考慮されていないのです。
⇒動物試験のみで試験期間も短い
人間に、危険性が分からない食品添加物を大量に摂取してもらい、毒性がどのくらいかを調べることはできません。
従って、マウスや犬やラットを使った動物実験に頼らざるを得ないのです。
動物実験から、「この量なら摂取しても大丈夫」といった「1日許容摂取量」を算出します。人間と動物では明らかに特性が異なるので、全ては想定です。
さらに、試験する期間は10年、20年単位ではなく、長くてもわずか1~2年なのです。
動物で1~2年実験して問題なければ、安全と言えるのか?少し不安が残りますよね。
⇒添加物を製造する企業自らが試験する
国が申請された添加物を検査するのではありません。試験結果のデータを揃えるのは申請者である企業です。
多くの企業が自社で試験するか、他の研究機関に委託しています。
都合よくデータの修正や改ざんができる状況にあり、決して第三者が厳しい目でチェックできる状態ではないのです。
公正な試験結果が、国に報告されているか不安になります。
これらのように、国が認可しているとはいえ添加物が絶対安全(人間の健康に影響ない)とは言い切れない現実があることも、理解しておいた方がいいでしょう。
まとめ:添加物との付き合い方は気楽に考える
「食品添加物は絶対ダメ」と完全に拒むのではなく、リスクを管理しながら少量に
これなら、日々の生活が少しは楽になりませんか?
どんな食品にも、必ずリスクは存在します。
食品添加物を危険か安全かの2択で、「食べる」or「食べない」を決めるのではなく、リスクを管理した上で判断することが大切ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。