Chiisanateの食育講座「とっても大事な食のお話し」~その2~

こんにちは。

やさいの庭 Chiisanateのオーナー 兼 有機野菜を作っている高城です。

 

2019年のChiisanateは食育活動に力を入れています。

 

・お客様から、食材について色々と質問されることが多いこと

・消費者が「農の現場と生産者」について知る機会がないこと

・逆に生産者が消費者のことをもっと知りたいと思っていること

 

そんな理由があって、「誰も教えてくれないとっても大事な食のお話」と題し、3名の生産者をChiisanateにお呼びしてそれぞれのテーマで講座を開催しました。

 

この方達は、ただの生産者ではではありません。

 

私が吟味に吟味を重ね、直接お会いして熱意を確認し、消費者目線で安全な農畜産物を作っていると自信をもって紹介出来る方です。

 

彼らは日本では中々見かけることのない、いわゆる本物の生産者達なので、お客様も勉強になると思いこの講座を企画しました。

 

今日のお話しは、全国でも珍しい豚の放牧飼育を行う増田さんご夫婦です。

 

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なぜ放牧なのか

 

生産者である増田さんとの出会いは、お店をオープンした翌月でした。

安全な豚肉を朝から晩まで探していたときです。

 

Chiisanateのお肉選びの基準は「アニマルウェルフェアを考慮した飼育をしていること」。

※アニマルウェルフェアについてはこちらの記事に詳しく書いてあります。

 

宮崎県にも様々なブランド豚肉がありますが、私は放牧に絞って探していました。

 

放牧が最も家畜が家畜らしく生活でき、幸せな一生を終えたお肉になるからです。

 

ひょんなことから、椎葉放牧豚という豚肉を知ります。

早速連絡して、生産者の増田さんに会いに行くことにしました。

 

お会いしてまず驚いたのが、代表の増田さんが30代前半の若いご夫婦であったこと。

若いご夫婦が2人で豚、人、山に喜んでもらいたい、ただその一心で頑張られています。

 

子育て中でもある増田さんだからこそ、安全な豚肉を消費者に届けたいと想いが強いのかもしれません。

 

増田さんに放牧にするきっかけを聞いてみました。

 

~以下増田さんの話~

 

放牧を始める前は、別の養豚経営会社で働いていました。

そこでは、豚を蹴ったり叩いたりして狭い畜舎の中で人間に従わせようとします。

 

ストレスまみれの豚は病気になりやすく、抗生剤や添加物に頼らないと出荷出来なくなってしまいます。

私はそんな飼育は絶対間違っていると思っていました。

 

全国でもあまり例がありませんが、理想の飼育は放牧だと当時から思っていました。

豚に暴力を振るうことなく自然な環境で伸び伸びと育てたかったのです。

 

そして20代の後半にその養豚会社を辞めて、椎葉の山奥で放牧での飼育を家族で始めたのです。

日本の畜産の問題点

 

私はこの増田さんの話を聞いて、日本の畜産の問題点を如実に現れていると思いました。

 

日本の畜産は生産性や効率性を重視する工場型畜産で、家畜は「生き物」ではなく「モノ」として扱われます。

 

主要先進国の中でも、飼育環境は劣悪で2020年の東京オリンピックでも諸外国から日本の畜産のあり方の改善を求められています。

 

世界の有名選手たちが日本の畜産物を「食べたくない」と拒否しているのです。

※なぜか日本国内ではこのようなニュースは大きく取り上げられることはありません。

 

7年前に開催されたロンドンオリンピックでは、卵は放牧卵のみが使用され、ケージ飼育された鶏の卵はおろか、平飼い卵も使用禁止だったようです。

 

豚肉については、英国はすでに妊娠ストール飼育が法的に禁止されていたため、妊娠ストールフリーの肉が使用されたとも言われています。

https://dot.asahi.com/wa/2018112800043.html?page=2/”rel=”nofollow”

 

日本では、このような卵や豚肉を探すのはとても苦労します。

 

この工場型畜産の弊害は、そこで育ったお肉を食べる私達消費者にも大きく影響していますが、この件についてはまた別の記事で紹介したいと思います。

 

放牧飼育の苦労

増田さんと椎葉放牧豚

 

放牧飼育が何より素晴らしいことは分かっています。

 

こんな素晴らしいことばかりであれば、みんな放牧飼育を行うはずです。

しかし、中々放牧を行う農家はいません。

 

放牧飼育が中々広がらない理由を増田さんはこう語っています。

 

 ~以下増田さんの話~

 

大変なのは出荷のための追い込み作業です。

 

放牧は山の中を歩き回っていますので、出荷の際に豚を探し出し、所定の荷台に追い込んで載せるのにとても苦労します。

 

この追い込み作業にかなり時間がかかるのです。

畜舎に押し込めて飼育していればこんな苦労はなでしょう。

 

また、放牧で好きな時に運動するため、お腹がすくのでしょうね。

畜舎で買われている豚よりたくさんの飼料を食べます。

そのため、エサ代はとても高くなりますね。

 

狭い畜舎に詰め込むのは、動かないようにして豚を肥満にするのも理由の一つですので(動きませんのでカロリー消費が少なくエサ代が少なくて済みます)。

私達は簡単に「放牧は素晴らしい」と言いますが、現場には苦労も多いようです。

 

この話からも、ネットなどで販売されている放牧豚の価格が、スーパーで売られている一般の豚肉より高い理由が分かりますね。

 

講座当日の様子

 

10月5日に開催された増田さんの講座「⼭を駆ける豚 ∼幸せな豚と安全なお⾁∼」では、予定時間をオーバーする白熱ぶりでした。

 

口下手で話すのが苦手という増田さんでしたが、飼育方法や餌、抗生物質の投与時期やスーパーに売られている銘柄豚の情報など、参加者の鋭い質問にも丁寧に答えていました。

 

養豚業のスペシャリストだからこそ答えられる、貴重な情報だったと思います。

 

増田さも消費者と直接話すことが出来てよかったと言われていました。

私達生産者は、現場で生産することが仕事で実際に消費者と話す機会はほとんどありません。

 

生産した農畜産物は、各流通経路を経てスーパーを通り食卓に運ばれるため、自分が育てた農畜産物が、どこで食べられているのか分からないのです。

 

今回のように、生産者と消費者が色々と話し合うことはとても大事な機会だと思います。

生産者と消費者が集う機会、今後も続けていきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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