規格がない市場を狙おう!

SNSハイライトのコーナーです。

今回は、「有機野菜にも規格が存在する」ことを深掘りしたいと思います。

先日、僕は以下のツイートをしました。

僕は有機農家でありますが有機JAS認証の検査員の資格を持ち、農業の合間に検査業務を行っています

有機JAS認証の農家さんの畑や倉庫などを検査していると、農産物が出荷されずにコンテナに積んで置いてあるんです。

人参やかぼちゃなど、品目は多岐に渡りますが僕だったら絶対に出荷するはずであろうサイズ感や見た目のです。

実はコレ規格外の有機農産物なんですよね。

有機農家の多くは組合に加入している

多くの方の有機農家のイメージは、”農家の個人努力でお客様を探して販売している”と思うでしょう。

でも内情はちょっと違っていて、有機農家専用の組合に加入されている方が非常に多いです。

有機農業版のJAみたいなイメージですね。

僕が検査で伺う有機JAS認証農家さんの9割以上は、有機農家専用の組合に加入しています。

組合に加入しておけば、組合が責任持って販路を探し売りさばいてくれます。

なので、農家は販路を自分で開拓する必要がなく、生産活動に集中できるわけです。

大手の取引先は組合に圧力をかける!

有機農家は組合本部に指示された場所に、自分の有機JAS農産物を発送し入金を待つだけでOK。

発送先のほとんどは、誰もが知るような大手の有機宅配業者やXX組合ですね。

検査で規格外品が倉庫や畑に積んであるのを見た僕は、「これはちょっと酷い」と思い、組合本部の職員に聞いてみたんです。

「有機野菜にも規格を求める必要があるんですか?」って

組合本部の営業職員は以下のような回答をくれました。

✔大手の取引先が質や規格にとてもシビア

✔農家の豊作でたくさん購入して欲しい時に断られ、不作で出荷が難しいときに大量の注文がくる

✔有機農家を守るために抵抗すると、最後には「他にも取引先があるのでお宅との取引は結構です」となる

組合本部の職員も、大手取引先の圧力に頭を悩ませ、現場の有機農家からは「責任を持って売ってくれ」と言われ、板挟みに合っているんですよね。

いいですか。よく考えて下さい。

僕らが作っているのは、定時・定量・定質の3つの「定」が難しい有機農産物です。

しかも、日本国が定めた規格に沿って作る有機JAS認証も取得したものです。

あたり前のように規格を求めてくる大手取引先は、現場を知らなすぎだと思うんです

消費者が有機農産物を勘違いしている

そして大手取引先は、「安心・安全な有機JAS野菜!」などと謳い有機農産物を消費者に販売しているわけです。

消費者は、有機も慣行同様に立派な農産物であるのがあたり前になります。

「有機野菜だから形が悪いものや、小さいものが届くかと思っていたけど期待はずれで立派で大満足です^^」

←コレ、僕が調べたとある大手取引先のサイトに載っていたお客様の声です。

その裏では、規格に合わず大量に集荷できない有機農産物があるなんて夢にも思っていないでしょう。

結局、規格がない市場で戦う方がいい

これが世の中の現実なんです。

僕が自分の受け持つ研修生などに何度も何度も何度も言っているのは、以下のことです。

 

「他人に販売してもらうことを考えず、自分でお客様を見つけて責任持って売りましょう」

 

消費者のすべてが規格を気にしているわけではありません。←経験からこれだけは間違いなく言えます。

僕の有機野菜を購入してくださるお客様は、皆さん、逆に規格に違和感を持っている方が多いです。

 

つまり、「規格がない市場=自分の開拓した市場」であり、多くの有機農家が販路開拓が難しいので規格がある市場で戦わざるを得ないのです。

 

であれば、今から有機農業をするあなたや、現在、有機農業で規格に縛られた生産活動をしているあなたは、何をするべきか分かりますよね。

 

大変ですが、自分で売り先を見つけるしかないんです。

 

現場の裏側を赤裸々に書きました。あなたの農業経営の参考にして下さい^^

 

 

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