昔の野菜と今の野菜 味や栄養価に違いはあるの?まずくなった今の野菜

こんにちは。

宮崎県で、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate(ちいさなて)」を経営しているyoshikiです。

多くのお年寄りが「今の野菜はまずい。昔の野菜は美味しかった」と口を揃えて言います。

この記事は「なぜ昔の野菜は美味しかった」と言われるのか?有機農家である私なりに原因を考えて、気になっている方に伝えたいと思い書きました。

記事を読めば、昔の野菜と今の野菜の違い、今の野菜は味や栄養が失われている理由などが、お分かりいただけると思います。

見た目はほとんど変わらない今と昔の野菜ですが、作り方や播く種、作る場所など細かく分解していくと、お年寄りが言う「今の野菜はまずい」の意味が見えてきます。

それでは早速、今日のお話を進めていきましょう。

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化学肥料や農薬で畑が死んでいる

おばあちゃん達お年寄りが子供の時代は戦前です。

この時代は、農家の知恵で害虫退治や野菜の病気対策、堆肥を自分で作って農地に投入し畑に栄養を行き渡らせるなど、お金はかけませんが人力をかけて大事な食糧となるお野菜を丁寧に作っていました

そう、この時代の多くの農家は今流行りの有機農家で、多くの日本人が有機野菜を食べることができた時代なのです

化学肥料や農薬を使わないので、畑にはたくさんの鳥や昆虫、へびやカエル、雑草や土壌微生物、そして野菜を作る人間が、調和を保ちながら一つの生態系が成立していました。

つまり、農薬を使わなくても、ある特定の害虫が大量に発生することはなかったし、化学肥料を与えなくても作物が育つくらい、土が肥えていたのです。

ところが、戦後になると状況は一変します。

日本には、化学農薬や化学肥料が入ってくるようになります

化学肥料や化学農薬は戦争と大きく関係していて、農薬は毒ガスの製造技術を駆使して作られ、化学肥料は戦争で使う爆弾を作る過程から生まれたと言われています。

これらを畑に投入するようになったから、畑から鳥が消えカエルや昆虫が消え、土壌微生物が消え、畑から生き物が消えてしまったのです

生き物の活動がなくなった畑で作られた野菜は、ミネラルなどの畑の微量要素などが吸収できない、野菜自体化学肥料による急速な成長で、正常な細胞分裂が阻害されることによるキメの粗さなど、味や舌触りに大きな違いが生まれます

昔の野菜が美味しかった理由の一つは、これらのように畑が生きていたからです。

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化学肥料を使うことによるデメリットを、「化学肥料のデメリット~私が化学肥料を使わない理由~」で紹介していますのでご参考下さい。

品種改良で捨てられた味や栄養価

市場が求める定時(いつもでも)・定量(同じ量を)・定質(同じ品質で)を達成するためになされたことは、人間による品種改良です。

品種改良される前の野菜は在来種(固定種)と言われる、昔からその土地に合った野菜が作られていました

この在来種(固定種)野菜の特徴は、味が濃い、成長がゆっくり、形が大小様々など、市場に流通させるにはとても難しい野菜です。

そこで、以下のように品種改良という技術を駆使して、野菜を都合よく改良した結果、野菜本来の味や風味が失われてしまったのです

✔味が濃いから品種改良で野菜臭さをなくす

品種改良すれば例えば、大根の辛味成分を弱めることや、人参から人参臭さをなくす、トマトから強い酸味をなくすなど、現代人が好む野菜を品種改良で作り出すことができます。

✔成長が遅いので品種改良で発芽揃いをよくし、一斉収穫できるようにする

私も固定種野菜を作っているのでよく分かるのですが、品種改良された野菜と比べて、発芽が遅くしかもバラバラです。

そして、その差が収穫時にも影響します。

例えば、もう収穫できるほど大きな大根もあれば、後10日ほど収穫を待つ必要がある大根など、同じ時期に種をまいたはずなのに、一気に収穫することができないのです。

それでは困るので、短期間で一気に大きくなって一斉に収穫できるように最近の野菜は品種改良されています

✔形が不揃いなので品種改良で皆同じ大きさ形になるようにする

在来種(固定種)の野菜は曲がったり、まっすぐだったり、小さかったり、大きかったり、とにかく形が揃いません。

これでは、ダンボールに入れて出荷するには困るのです。

箱に無駄なスペースなく効率に詰め込むためには、均一な形で収穫される必要があります。これが品種改良をすることによって改善されるのです。

このように、品種改良された野菜をF1種と言います

最近、スーパーで売られている野菜のほとんどこのF1種となっています。

上に書いた以外にも、特定の病気に強い品種を作るなどありますが、野菜本来の味や栄養価を失わせても市場が求める野菜となるように、人間自らが野菜をまずくしている実態があります

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品種改良されたF1種が増え、伝統野菜が消えていく話は「F1種に追いやられた伝統野菜~種から始まる本物の野菜~」で紹介していますのでご参考下さい。

分からなくなった野菜の旬と植物工場

そして、今の野菜が美味しくなくなったもう一つの理由は、季節を問わずいつでも栽培できる環境が整っていることです。

 

例えば、トマトやピーマンは畑で露地栽培すると夏野菜になりますが、ビニールハウスを使いハウス内の暖房技術を使えば、寒い冬でもトマトやピーマンを食べることができます。

 

 

時期によって野菜内に溜め込まれる栄養素が違う(本来の時期に作られる方が栄養価が高い)というデータもあるようです。

しかし、それよりも私は、体がその野菜を求めていない季節に食べるから、美味しく感じないと思うのです

 

 

例えば、夏野菜は水分が多く含まれる野菜がとても多いですが、これには理由があって、野菜自身が夏の暑さから水分を奪われないために溜め込んでいると言われています。

 

逆に人間は、この時期汗で大量の水分を体内から失います。

 

 

だから、水分がたっぷり含まれる夏野菜を食べて体内の水分を補給するし、食べたとき美味しい!と身体が感じてくれるのです

冬にこれらの夏野菜を食べても、身体はそれを求めていないので美味しく感じるはずがありません

 

 

そして、地下などのスペースを有効活用したり、空いた農地を活用して建設される植物工場。

気温や照明、湿度や水分などを全て機械がコントロールした野菜です。

 

もちろん、お日様を浴びることもなければ、土に植えられることもありません。

そこには、動物や昆虫の食う・食われるの関係や微生物の働きなど一切なく、出来上がる野菜も葉が軟弱で薄く弱々しい

 

味や香りもほとんどしませんし、そこにあるのは野菜という外観だけ立派な抜け殻です。

 

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旬の野菜が最も美味しくなる理由は、「旬野菜で栄養を摂ろう~春夏秋冬、野菜には美味しくなる季節がある~」で紹介していますのでご参考下さい。

まとめ

実は今の「野菜が美味しくない」と思うのは、昔のお年寄りだけでなく、私(Chiisanateというお店)も同じです。

 

例えば、

自分の有機畑で作った人参が切れてしまって、直売所で人参を購入することがあるのですが、味が明らかに違うので、出来上がる人参料理自体が全く別物になってしまいます

※人参の味が全くしないので、同じ手順で同じ調味料を使っても当初の料理にはならないのです。

 

結局、色んな調味料で味を再現しようと思っても、難しいことが多く途方に暮れることがとても多いのです。

 

 

どうやら、お年寄りが言っている「今の野菜はまずい。昔の野菜は美味しかった」は本当のようです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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