こんにちは。
宮崎県で、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate(ちいさなて)」を経営しているyoshikiです。
以前も、このブログでお話ししたゲノム編集。
世界の動きを見ていると、私はやはりゲノム編集に関する日本の考えが理解できないのです。
その構図は「ゲノム編集を規制する世界vs容認する日本」です。
ゲノム編集を知らなかった方、知っているけど世界が規制する動きであることを知らなかった。
この記事は、そんなあなたのために書きました。
記事を読めば、なぜ、世界がゲノム編集を規制するのか?やがて日本はゲノム編集技術の人体実験場になってしまう可能性を秘めていることが分かると思います。
意図的に?伏せられていて、多くの日本人が知ることの出来ないゲノム編集の実態。
それでは早速、今日のお話を進めていきましょう。
ゲノム編集を規制する世界
話を進める前にゲノム編集について簡単なおさらいです。
ゲノム編集とは、元々その生物体内にある遺伝子を切ったり繋げたりする技術です。
一方、
遺伝子組換え技術は、外部から元々その生物体内にない遺伝子を入れる技術です。
遺伝子組み換えは、あなたもご存知のことでしょう。
ヒトの健康や環境などに大きな影響を与える可能性があるため、日本を含め世界中の国が慎重な対応をしています。
実は、ゲノム編集の規制を議論する際にポイントとなるのが、「ゲノム編集は遺伝子組換えになるのか」という点です。
ゲノム編集が遺伝子組み換えと同じという結論であれば、ゲノム編集も遺伝子組み換えと同様に厳しく規制されます。
これを頭に入れた上で、主要国のEUとアメリカの状況を見てみましょう。
EU(欧州連合)
まずは、遺伝子組換えの規制が世界で最も厳しいと言われるEUから。
EU司法裁判所の下した判決によると、ゲノム編集は人間の健康や環境に重大な恐れがあるとして、遺伝子組み換えと同じ規制をするように求めています。
ゲノム編集のよるリスクは遺伝組換えと似ている可能性、そして、ゲノム編集の作物は遺伝子組み換え作物と同じく自然には生じないとしました。
アメリカ合衆国
アメリカでは、ゲノム編集を規制するか否かの判断に迷いがありました。
前大統領のオバマ政権では、その安全性を理由にゲノム編集を規制する計画があったようです。
その後、トランプ政権に変わってから、アメリカ農務省の見解は「ゲノム編集は遺伝子組換えに該当しない」とし、遺伝子編集した作物にリスクはないと言っています。
しかし、今年になってアメリカの公衆安全衛生の分野で、国際的に認められた第三者認証機関(NSFインターナショナル)は、ゲノム編集を遺伝子組換えとして扱うことを決定しました。
その他にも、アメリカで広く普及している民間認証「Non-GMO Project」と呼ばれる非営利団体も、同じ見解を発表しています。
政府とは異なる見解ですが、民間レベルでアメリカの主要な認証ラベルは、ゲノム編集について遺伝子組み換えと同じ扱いをすることを意味します。
規制を緩める日本
それでは、日本はゲノム編集に対してどのような対応なのでしょう?
残念ながら、日本は世界と逆行しています。
元農水大臣で国会議員でもある、山田正彦氏が書いた本をから抜粋して、ゲノム編集に関する日本政府の見解をお伝えします。
実は環境省は18年8月になって、アメリカに追随するように「ゲノム編集は遺伝子組み換えでない」とする見解を発表した。
しかも対象をアメリカよりも広げた。
同年9月には厚生労働省の薬事・食品衛生審議会遺伝子組み換え食品等調査会で、ゲノム編集された食品に関する審議が始まった。
しかし、わずか4回の審議をへた同年末には、「ゲノム編集では別の動植物の遺伝子が新たに組み込まれていないから、タンパク質やアミノ酸に変化は起こらないので従来の品種改良と同じ、安全である」とする報告書を取りまとめている。
出典:売り渡される食の安全 (著)山田正彦
政府の内部に精通する方が書いた本なので、その経緯や見解には信憑性があると思います。
私達の国、日本はなぜか世界と反対の道に進もうとしているのです。
未知の危険性を考えない日本
あなたは、世界の主要国が、ゲノム編集についてこれだけ慎重なのに、「ゲノム編集は安全である」と国として公式に発言する日本政府を理解できますか?
私には全く理解できません。
遺伝組換えとかゲノム編集とか技術論だけが話題になっていますが、はっきり言ってしまえば、科学は遺伝子情報の全てどころか、その基本的なことですら把握していません。
とにかく、その危険性は時間が経たないと分からなく、一年や二年の動物実験では、決して未知の危険性を導き出すことは不可能なのです。
思い出して下さい。
最初は安全として使われていた農薬や食品添加物も、時を経て危険と分かり、製造や利用が禁止されているものが多くある現実。
遺伝子組換えやゲノム編集は非常に複雑なシステムなので、危険だと解明されるその日が来るのかさえ不明です。
結局、結論を急ぎ、危険性を無視した日本がとった結論は、「ゲノム編集食品の表示を義務付けないこと」。
この意味は、ゲノム編集は安全なので、わざわざ、「ゲノムを編集した食品ですよ」という表示はいらないといこと。
今後、表示の義務がないため、ゲノム編集された食品を、私達消費者は何も知らずに選んで食べる可能性がとても高くなったのです。
そして、数十年後に、それを知らずに食べ続けた日本人には、様々な変調が現れるかもしれません。
規制を緩めてゲノム編集食品を食べ続けた国民が将来どうなるのか?
ゲノム編集を規制した国々は、ゲノム編集技術の人体実験場と化した日本を興味深く見守っているのです。
多くの国民が知る機会がない現状
さらに問題なのが、日本メディアがこのようなゲノム編集の影の部分を、ほとんど報道しないことです。
ここまでお読みいただいた方で、今までの内容を全て知っていた方はいらっしゃいますか?
メディアは「ゲノム編集で私達の生活はこう変わる!」といった、利便性のみをフォーカスし、その危険性についてはあまり報道しません。
国が詳しく説明をしないなら、メディアがゲノム編集の危険性も含めて多角的な視点から報道するのが、報道機関としての大切な仕事だと思うのは私だけでしょうか?
まとめ
今日は、いかに日本がゲノム編集技術に関して、世界と逆の対応をしているかをお話しました。
以前の記事にも掲載しましたが、「ゲノム編集は安全か?」という問に対して、謙虚な研究者であれば「よく分からない」と回答するでしょう。
遺伝子を操作したり編集したり、これは神の領域であり、決して人間が手の中に収めることの出来る分野ではないのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。