SNSハイライトのコーナーです。
今回は、「農家は野菜ではなくわくわくを売った方がいい理由」について深掘りしたいと思います。
先日、僕は以下のツイートをしました。
ただお野菜を送って終わり。
— よしき@零細農家でも勝てる農業を (@inakaman2021) October 19, 2021
そんな野菜の宅配ってつまらないと思うんです。
お客様を農園に招待し、なんなら野菜料理を提供して差し上げる。
これって、有機野菜の宅配をベースにしたお客様との繋がりなんですよね。
野菜を売らずにわくわくを売る。そうすれば農家もお客様もハッピーです(^^) pic.twitter.com/6PKM2bddCv
野菜農家なら当然誰でも、高品質で美味しく安全な野菜づくりを目指すでしょう。
でも、よく考えてみてください。
どんな農家も、そんな想いで野菜を作っているんですよね。
そこに、消費者が一目で分かる大きな差なんてありません。
であるなら、他の農家に負けない(=他の農家が真似できない)何かがあれば、あなたの野菜は選ばれやすくなります。
消費者はスペックではなく生産者を知りたいと思っている
僕は脱サラ後に、有機農家をしながらレストラン経営もしていました。
レストランのお客様と日々、話をしているので彼らがどんなお野菜を求めているのか分かるんです。
お客様によく言われていたことは、以下のようなことです。
✓高城さん畑で採れた野菜なので安心して食べられる
✓高城さんが有機農業で作っているので安心ですね
✓子供が高城さんの畑に遊びに生きたいとよく言っています
多くの農家は勘違いしていますが、消費者はスペック(糖度○○、安全な○○、など)ではなく、どんな生産者が作っているのかに興味があります。
事実、上記のコメントには必ず生産者である「高城さん」がでてくるわけです。
体験もセットで消費するという考え
「畑に入って野菜を見学してもいいですか?」
これは、レストラン経営の中でお客様から何度もお願いされたことです。
ここから僕はピンときたんです。
お客様が僕のレストランに来店されるのは、ただ野菜料理を食べるためだけではなく、畑に植わっている様々な野菜も楽しむためなんだと。
触ってみたり、収穫してみたり、なんならその場でかじってみたり・・・
5感を使って感じ取ることのできる何かが畑にはあるんですよね。
以前、お客様からいただいたメールです↓
このことから、お客様は体験とセットで野菜を消費するものだと僕の体に刷り込まれたのでした。
新規顧客よりも既存顧客を重視するメリット
1:5の法則ってご存じですか?
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客の5倍という法則の事です。
これって、僕の経験上、大体合っているんですよね。
であるなら、既に捕まえている(ファンになってくれている)既存顧客が離れていかないように、時間やお金を振った方がいいですね。
既存顧客を重視するメリットをもう一つ。
ビジネス用語でLTV(ライフ・タイム・バリュー)とことばがあります。
LTVとは顧客があなたのお野菜に生涯、どれくれいお金を使ってくれるか?ということです。
例えば、僕の有機セットは2500円/セットの毎月定期来入なので、2500円×12ヶ月=30,000円を1世帯からいただくわけです。
これが2年間継続してくれれば、60,000円、3年間継続してくれれば90,000円と長くなればなるほどLTVは大きくなってきます。
だから、できるだけ既存顧客を大事にし、よい関係性を続けることに尽力する方がいい訳です。
結局、人は感情でモノを買う!
話を戻します。
で結局、僕はお客さんを定期的に農園び招待して、お食事会を開催することにしています。
ただ野菜を送って終わりではなく、それ以外の関係性も深めておきたい(理由は上記のとおり)のと、お客様も僕の宅配以外には味わえない満足感を得ることができます。
そうすると、既存のお客様は僕の人柄や考え方をより深く知ることになり、別の野菜の宅配には見向きもしなくなるんです。
僕が試行錯誤して分かったことは、「人は感情でモノを買っている」ことですね。
冒頭で書いたスペック(高品質で美味しく安全な野菜)から先に入るわけではありません。
僕で言えば、
高城さん(=やさいの庭Chiisanate)の雰囲気や人柄、考え方に共感できる → そしてスペック(高品質で美味しく安全な野菜)が高い
みたいな感じでしょうか。
決してスペック重視ではなく、感情から先に入ります。
みなさんもこの考え方を参考にしてみてください。
きっと農業が今よりもっと面白くなり、利益や売り上げが上がっていくでしょう。