本記事では、マーガリンがやばいと言われる理由や、トランス脂肪酸の危険性、マーガリンとバターの違いなどを詳細に解説します。
本記事は、以下の関連記事になります。安全なマーガリンを探している方は、参考にして下さい。
>>トランス脂肪酸の少ない安全なマーガリン【おすすめ5つを厳選】
✔本記事の内容
・トランス脂肪酸は危険なのか【マーガリンがやばいと言われる理由】 |
・マーガリンとバターの違いは何か |
・マーガリン=危険、バター=安全と決めつける【これは偏った考え方です】 |
✔記事の信頼性
この記事を書いている僕は、オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営しています。
オーガニックと食に精通した僕が書く記事なので、記事の信頼性は高いと思います。
この記事の目次
マーガリンがやばいは本当か?バターとの違いとトランス脂肪酸の話
結論から言うと、「常識の範囲内でのマーガリン使用は、健康上問題ない」です。
やばさで言うなら、むしろ、パンや焼き菓子などに使用される「ショートニング」、即席麺やファーストフードで使われる油です。
なぜならこららには、やばいと言われる原因物質のトランス脂肪酸がマーガリンより多く含まれているからです。
重要なのは、トランス脂肪酸を体内に取り込む量(摂取量)なのです。
・トランス脂肪酸は危険なのか【マーガリンがやばいと言われる理由】
マーガリンとセットで、いつも注目されるトランス脂肪酸を深く考えてみます。
⇒確かに危険性が指摘されるトランス脂肪酸
トランス脂肪酸は、世間的に「トランス死亡酸」などと揶揄されるほど、危険なものとされています。
なぜなら、人工トランス脂肪酸の過剰摂取は、WHO(世界保健機関)などが以下のような危険性を認めているからです。
「悪玉コレステロールの増加」、「善玉コレステロールの減少」、「心血管疾患」
他にも、突然死や糖尿病、メタボのリスクも指摘されています。
そのようなこともあり、世界は規制や撲滅の方向で動いているようです。
しかし、日本ではまだ規制をかけていないのが現状です。
⇒添加物ではないトランス脂肪酸
実は、トランス脂肪酸は食品添加物ではありません。以下、簡単な説明だけ。
トランス脂肪酸は、あえてマーガリンに添加するのではなく、硬化油というマーガリンのモトを作る段階で発生するものです。
なので、マーガリンの表示には下画像のように「トランス脂肪酸」とは書いてありません。
マーガリンは、口溶けの良さや適度な硬さを再現するために、食用精製加工油脂が使用されています(赤四角枠)。この食用精製加工油脂の製造過程で、トランス脂肪酸が発生するのです。
しかし、国として表示の義務がないので、画像のマーガリンの表示からは、食用精製加工油脂としか記載されていません。
これでは、トランス脂肪酸が含まれるか、含まれないか判断できませんよね。
これがマーガリンはやばいと言われる理由です。
⇒2種類あるトランス脂肪酸
ちなみに、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は人工のものですが、バターにもわずかですが、天然のトランス脂肪酸が含まれています。
危険だと言われているのは、マーガリンに含まれる人工のトランス脂肪酸の方です。
・マーガリンとバターの違いは何か
次に、「マーガリンとバターはどちらが安全か?」について考えてみます。
⇒原材料から見るマーガリンとバターの違い
マーガリンとバターの大きな違いは原材料です。
バターは成分の80%以上が牛乳などの動物性脂肪です。
一方、マーガリンは成分の80%以上がコーン油、大豆油、パーム油、綿実油などの植物性脂肪です。
⇒作り方から見るマーガリンとバターの違い
バターはいたってシンプルです。ざっくりですが、牛乳などに含まれる脂肪分を抽出して固めただけです。
一方、マーガリンは、植物性脂肪を原料とした硬化油に水や乳化剤、バター香料や着色料を混ぜて作られます。そして、多くが、バターにできるだけ近づけるため食品添加物を加えています。
ここまで見ると、多くの添加物を使っているマーガリンの方が体に悪いと言えそうですね。
⇒【余談】ファットスプレッドとマーガリンの違い
スーパーでは、カロリーハーフと謳われた、ファットスプレッドも売られています。
「ファットスプレッド」は、80%未満の植物性油脂で作られるマーガリン様食品のことです。
ファットスプレッドは80%未満の植物油脂であれば、50%でも30%でも構いません。
油を大幅に減らすのでカロリーも大幅に減らせます。
お店ではよく、カロリーハーフとして売られています。
カロリーハーフとは、植物性油脂を半分にしたということです。但し、油をカットした分水っぽくなります。
それを防ぐために、さらに多くの食品添加物を使って硬さを再現するのです。
なので、「カロリーハーフ」と書いてあっても決して、健康にいいわけではありませんのでご注意を。
バターとマーガリンとファットスプレッドの違い(管理人作成)
マーガリン=危険、バター=安全【これは偏った考えです】
ここまで読めば、製造工程で添加物が加えられ、人工のトランス脂肪酸が発生するマーガリンの方がバターより危険と思われるでしょう。
事実ですが、「ちょっと短絡的で、急ぎ過ぎた結論かなぁ」と僕は思います。
理由は以下のとおりです。
・添加物やトランス脂肪酸には基準がある
食品添加物やトランス脂肪酸には、必ず体内に取り込んでも害がでない量が決まっています。
※逆に言えば、その基準に従った摂取であれば健康上の問題はありません。
例えば、トランス脂肪酸で言うと、トースト1枚に塗るマーガリンは5グラム前後で、その中に含まれるトランス脂肪酸は0.25gです。
トースト2枚でもトランス脂肪酸は0.5gなので、WHO(世界保健機関)が「これ以上は摂取しないでね」と示す安全基準以下となります。
朝からトースト10枚以上食べる方はいませんよね。
週刊誌などが「食べたら死ね」といった、「体内に取り込むとすぐに危険」のような煽り報道を展開します。
でも、常識の範囲内でマーガリンを使用すれば、すぐに危険というわけではないので安心しても大丈夫です。
・ゼロリスクのない食品
バターの方が安全だと思っていても、体内に取り込み過ぎは危険と言えます。
バターは、動物性の油脂なので植物性のマーがリンに比べて、コレステロール値が上がりやすくなるからです。
バターの食べ過ぎは、肥満や動脈硬化などの原因にもなり、手放しに安全とは言えないことは分かりますよね。
どんな食品も食べ過ぎれば体に害です。僕らは皆、そんなリスクを許容しながら毎日、食品を口にしているのです。
まとめ:リスクを見極める
食の安全について、いろんなデマや嘘がネット上で拡散されています。
僕ら消費者に必要なのは、自分なりに情報を集めて組み合わせ、分析して判断することです。
ネットに落ちている情報を調べもせずに信じ込むことは、逆に危険かと。
マーガリンとバターの違いや、それぞれのメリット・デメリット、そして許容できるトランス脂肪酸の量などを調べた上で、自分なりの答えを導き出す必要があります。
僕達が口にする食べ物に、ゼロリスクはあり得ません。何を食べても何らかな危険性は存在するのです。
僕達がどれだけリスクを許容して、食品を選ぶかにかかっているのです。
参考:食品添加物の危険性はリスク管理で緩和、上手な添加物との付き合い方
最後までお読みいただきありがとうございました。