オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate(ちいさなて)」を経営しているyoshikiです。
中国食品を「危険だ!」と叩き、国産安全神話を唱えるメディアの影響で、私達日本人は相当な中国食品アレルギーになっているようです。
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?
・中国産の食品は危険なので安くても買わない方が良いのか?
・中国産と日本産(国産)があれば、無条件で国産を安全だと思う
この記事は、このようなことを考えている方のために書きました。
私達が安全な食を選ぶ上で大切なのは生産国ではなく、どのように生産・加工されて、どうやって運ばれてお店に並んでいるかを知ることです。
記事を読めば、中国産食品がどうして危険と言われるのか、そしていかに私達消費者がメディアの情報に惑わされているかが分ります。
日本は世界中から食品を輸入しているので、中国食品だけが悪者になるのは間違っていて、むしろ他国や日本(自国)の方が危なかったりします。
それでは早速、今日のお話を進めていきましょう。
無責任な間違った食の情報
ダイエット食品による死者、ウナギから基準値以上の合成殺菌剤、ダンボール入に肉まん、冷凍餃子への農薬混入。
中国産の食品に関する事件は、驚くというより呆れているのが、私達日本人の実情です。
しかし、これは中国食品だけにフォーカスを当てたもので、数少ない違反の中からメディアに取り上げられたに過ぎません。
後述しますが、日本が輸入する国の中でも中国の違反率は他国と比較して少ないです。
そして、最大の勘違いが食品衛生上の話と犯罪の話をごちゃまぜにしていること。
中国のような国は、日本と違って経済成長の伸びが著しく貧富の格差も大きいです。
そのような国は、恨みや妬みによる犯罪も起こりやすく、それが食品に向かっているだけです(例えば従業員による毒物混入など)。
なので、中国食品は食品衛生上に問題があるわけではなく、犯罪によって危険な食品になっているケースが多いということを頭に入れておくことが重要です。
このように、中国に関してはもはや感情論が先行し、冷静な分析ができていない状況です。
本来なら、本質をついた正しい分析を基に、国民に正しい情報を提供するのがメディアの役割のはずです。
メディアの影響で私達消費者は、「中国食品なら何でも避けた方が無難」とマインドコントロールされています。
しかし、意外かもしれませんが、中国食品はあなたが思っているより危険なものではありません。
私達の頭の中にある中国食品のイメージは、メディアが私達に植え付けたものなのです。
意外と安全な中国の食品!
0.025~0.03%
この数字は、中国から輸入される食品の件数当たりの違反率です。
この数字が多いか少ないのか?少しだけお話します。
日本に輸入される食品は数百万件以上の届け出があり、その全てが書類審査を受けます。
そして、その中から1割程度が、現物の検査を受けることになります。
このうち、食品衛生法に違反する(平均違反率)は概ね0.03~0.05%です。
そうなんです。
中国の違反率は全体平均よりも低く、100,000件に25件程度しか違反はないのです。
違反の内容は、日本で許される添加物や農薬の残留基準を超過していること、日本で使用禁止の添加物などが検出されるなどで、ダンボール入に肉まん、冷凍餃子への農薬混入などは、極めて稀なケースでないでしょうか?
違反率の高さで言えば、アメリカやインドなどの方が高くなります。
メディアが取り上げているのは違反件数です。
違反件数では中国が1位となりますが、これは輸入食品全体の約1/3を占める中国が圧倒的に件数が多い(母数が多い)からです。
輸入件数が多ければ、それだけ違反件数も増えるのは当たり前ですよね。
メディアはここをしっかりと消費者に説明すべきです。
輸入食品の安全性の担保
日本に入ってくる輸入食品で、食品添加物や残留農薬、微生物汚染などは日本と同じ基準が適用されます。
諸外国からいきなり食品が輸入されてくるわけではなく、質の悪い食品が入ってこないように水際で防止されているのです。
日本と同じ基準が適用されているため、外国産より日本の方が安全と考えるのは言い過ぎです。
輸入国が中国だからとか、ブラジルだからとか国で安全性を判断することは、あまり意味がないのです。
以下、輸入食品の安全性の担保について具体的に解説します。
安全性の高い食品のみ輸入
先程、中国の違反率が「0.025~0.03%と低い」と書きました。
その理由は、日本の企業が現地で指導・監督を行い質の悪い粗悪な食品が日本に入ってこないようにしているためです。
もし、自社で指導・監督を行ったにも関わらず質の低い粗悪な食品が日本に入ってくると、それこそ輸入に関係した日本企業もイメージダウンを避けられません。
そのため、社員を現地に在中させ栽培や加工の技術を指導して、一生懸命に現地で対応しているのです。
検査、そしてまた検査の輸入食品
食品を輸入する際には、輸入事業者が空港などにある検疫所(国の機関)に届けを出して審査があります。
書類審査や、一部の食品は抜き取り検査を行います。
ここで違反が見つかれば、分かった時点で流通や販売などは止められます。
そして、審査が無事に終わり問題がなかった場合は日本に入ってきますが、入ってきた後も、流通業者や扱う加工メーカー生協などが自主的に検査を行います。
ここまで書いてきたように、まずは現地で日本企業による入念なチェックが入り、空港では検疫所から書類検査や抜き取り検査が行われ、最後にそれを使用する者による自主検査が行われます。
輸入食品はあなたが思っている以上に、しっかりチェックされています。
日本の食についても正しい情報を
印象や思い込みで「外国産=危険 国産=安全」と判断する方が、危険だと私は思います。
あなたはご存知ないかもしれませんが、日本は、食に関する基準や規制が何かと緩い国です。
一部の農薬や添加物など海外では禁止や段階的廃止とされているものが、日本では普通に使われています。
むしろ輸入とは逆で、日本で作られるこれらの食品は規制の厳しいEUなどには日本から輸出できないことがあります。
海外の厳しい基準に、日本の基準がついていけていないからです。
一つ例を挙げます。
日本では食用油の原料である菜種や大豆など、遺伝子組み換えの原料で作っていても「遺伝子組み換え」と表示する義務がありません。
なので、例え遺伝子組み換えの原料を使っても、消費者には分かりません。
当然、日本人は何も知らずに遺伝子組み換えで作られた原料の油を口にしているのです。
しかしです、EUには遺伝子組み換えの表示義務があるため、日本の食用油製造会社は同じ食用油を輸出するときは、しっかり「遺伝子組み換えの原材料を使った」と表示しています。
要するに、日本で販売する食用油は「遺伝子組み換え」と表示せず、EUに輸出するときは、「遺伝子組み換え」と表示して、使い分けているのです。
日本の基準が甘い例ですが、中国食品が危険と叫ぶ前に自国のこのよう問題をメディアは報道すべきと思うのです。
国産=安全ではなく、日本の食品のこのような点(危険性)も公平に報道して、もっと消費者が食について求める正しい情報を取材・報道すべきではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
食の安全や品質は、生産する国のみで判断することは出来ません。
中国産=危険で日本産(国産)=安全とは一概に言えず、むしろ、国産の方が危険なこともあることを、あなたに伝えたいと思い記事を書きました。
私達は決して、TVや週刊誌に書いてあることをそのまま信じないことが大切です。
偏った報道を信じることによって真実がねじ曲げられ、私達消費者は正しい食を口にする機会がどんどん少なくなっています。
少しでも消費者に役立つ、「食に関する正しい情報を伝える」ことがこのBlogの目的です。
最後までお読みいただきありがとうごいざいました。