慣行ほ場から有機ほ場に転換した場合、慣行で使っていた農薬や肥料の残りが気になりますよね。
一体何年経てば、慣行時代の農薬や化学肥料の「残」が土中からなくなるのでしょうか?
今回は、有機JASの検査員の視点でアドバイスさせていただきました。
✓明確に何年で、慣行作の残留農薬や化学肥料が抜けるとは言いにくい
✓有機JASでは2~3年間、農薬や化学肥料を使用しないことが認証の条件
✓有機農業に転換後、収穫量は2~3年後に落ちてくる(※1年目ではない)
といった部分に言及しています。
こんばんは。
いつもチャット内で勉強しております。
父が以前使っていた畑で無農薬・有機栽培を始めたのですが、以前は農薬も化学肥料も使っていました。
畑がもとに戻るのは何年くらいかかりますか?
Aさん こんにちは^^
「畑が自然の状態に戻る=農薬・化学肥料が抜ける」のは、明確に何年と言い切れません。
なぜなら、前に使用していた農家(Aさんの場合、お父様)が、どんな種類を、どれだけの量、畑に投入したのか分からないからです。
特に農薬なんかは、様々な農薬がMIXされて作物にかけられるため、化学反応等で全く別の化学式(構造)になり、ほ場に残ることもあります。
なので、Aさんの畑が●年で元に戻ると、僕には言い切れません。
しかし、そんな場合がほとんどなので、国(農水省)が基準を定めています。
ここからは、僕が有機JASの検査官の視点で記載しますね。
国のオーガニック基準である有機JAS認証制度。
法律にしばられた有機農業をする必要があるのですが、そこには「慣行ほ場→有機ほ場」に転換した際の基準が示されています。
✓野菜等の一般作物は2年以上、化学肥料や農薬を使わない
✓果樹や茶などの永年作物は3年以上、化学肥料や農薬を使わない
上記を満たすほ場では、有機JAS認証を取得することができます。
=農薬や化学肥料は残っていないだろう的な解釈
なぜ、2年や3年化学肥料や農薬を使わなければ、有機ほ場の認証条件になるかたと言えるのでしょう?
様々な説がありますが、たぶん誰も説明できませんW
僕が聞いたことあるのが、有機に転換して一番苦しいのが2~3年目であるという事実。
1年目に慣行→有機に転換すると、慣行時代の化学肥料が土中に残っていて、無肥料でも野菜などは育ちます。
完全に野菜が吸い上げて、土中の栄養がなくなる2~3年目に、収量がガタ落ちするパターンがほとんどです。
これを根拠に農水(国)は2~3年の期間を考慮したと思われます。
ちょっと雑多な説明になりましたが、Aさんはお野菜なので、有機JAS基準によれば2年以上、農薬や化学肥料を使用していなければよいことになります。
以上になります。
参考にされてください^^
上記は、僕が運営している無料のコミュニティ「零細個人農業者の勉強部屋(経営力UPを目指す!)」でのやり取りです。
参加に興味のある方は、以下の記事をご覧ください。