【農薬散布は悪?】なぜ農家は危険と分かっている農薬を使うのか

「なぜ、危険だと分かっている農薬を農家が使うのか?」こんな疑問を持っている方向けの記事です。

・体に悪い農薬をなぜ農家は使う必要があるの?

・一般の農家は農薬をどれくいらい使っているの?

 

記事ではこのような疑問や悩みに答えます。

消費者からすれば、農薬散布は悪いように感じますが、農家の立場から考えたとき農薬とはどのようなものなのでしょう?

 

□■あなたが記事を読むメリット□■

・農家は農薬を使いたい訳ではないことが分かる。※むしろ嫌がっている。

・実は農薬を嫌がっている消費者自身が、農家の農薬使用を促していることが分かる。

 

この記事を書いている僕は、わずか6aの自家菜園級の畑で有機jas認証を取得し、子供の食と健康を専門にしたオーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate」を経営している変わり者です(笑)。

自分で実際に有機jasの認証取得し、日々、農薬を一切使用しない農業を行っているため、記事の信頼性は高いと思います。

 

それでは、早速話を進めていきましょう。

 

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なぜ農家は危険と分かっている農薬を使うのか?

一般の消費者はあまりご存知ないかもしれませんが、農薬の被害は消費者だけではありません。

 

実は、散布する農家自身も農薬による健康上の被害を受けています

※農薬を散布する農家自身も、好んで散布をしている訳ではないのです。

 

消費者、農家、その他動植物にも悪影響を及ぼす農薬ですが、そんな危険な薬をなぜ使う必要があるのでしょう?

 

それは、危険だと分かっていても、農薬を使わざるを得ない理由があるからです。

 

 

理由1:消費者が見た目で農産物を選ぶから

あなたに質問します。

AさんとBさんがつくる2つのさつまいもがあります。

 

生産者A:値段が1本50円、虫食いなく見た目が綺麗なさつまいも

生産者B:値段が1本80円、虫食いが見られ見た目はあまり綺麗でないさつまいも

 

あなたはどちらのさつまいもを選びますか?

恐らく、多くの消費者が生産者Aのさつまいもを選ぶと思います。

なぜなら、値段が安いし見た目が綺麗だからです。

 

農家が農薬を使用するのは、まさにここがポイントとなります。要するに、見た目が綺麗じゃないと消費者は購入してくれないから敢えて農薬を使う必要があるのです。

 

理由2:取引先に迷惑を掛けるから

飲食店やスーパーと大量に取引する農家であれば、取引先に大きな迷惑を与えてしまいます。

このような引の原則は「定時(いつも)」「定量(同じ量)」「定質(同じ質)」だからです。

 

「病害虫の被害によっていつもの半分しか収穫できませんでした」では通用しないのです。

 

こうなってくると、取引先に迷惑を掛けられないので、農薬を使う以外に方法がなくなります

有機農業のように、「自然と共生して野菜を作りましょう」とか「害虫を敵にしない」とか言っている場合ではなくなるのです。

 

 

理由3:そして自分が生活できなくなるから

消費者が買ってくれず、取引先にも迷惑を掛けてしまう。その結果、農家の収入はなくなり生活ができなくなります。生活費や借金返済、そして子供がいる方は教育費がなくなります。

サラリーマンのように、毎月、安定した収入が銀行に振り込まれる訳ではないのです。

 

社会が求めている役割を果たせないその結果、自身の生活が不安定になる。このような理由で、農家は使いたくない農薬を使っているのです。

 

こんなに使う農薬:農薬散布を暴露します!

野菜は収穫までに3~5日に1回は農薬を使うと言われています。危険な農薬を、農家はどのくらい使っているのでしょう?

ほとんどの消費者はご存知ないと思いますので、僕の知っている情報を例に具体的な使用回数等を公開します。

下画像をご覧ください。

この資料は私が前職の時に入手した、トマトの農薬使用回数です。

数年前なので、今は使用禁止の農薬もあるかもしれませんが使用回数の参考として掲載します。

 

使用される農薬は合計23種類48回使われます。

分かりやすく換算すると、このトマトは3日に1回の農薬を使っているのです。

青字が殺菌目的で、赤字が殺虫目的で、黒字がその他(成長調整や除草)目的で、用途は様々です。

 

当然ですが、このトマトはスーパーや飲食店など、様々な経路で流通して私達の口に入ってきます。

スーパーの青果コーナーで販売されている真っ赤で艶のある綺麗なトマト。

 

その姿からは想像できませんが、実はたくさんの農薬を使って育てられたものです。

 

農薬散布は悪?

あなたはここまで読んできて、「農薬散布は悪い」と断定できますか?

使いたくない農薬を散布している農家の気持ちや状況が分かった今、私達消費者は決して、「農薬散布は悪だ」と言い切ることは出来ないと思います。

 

以前の記事にも書きましたが、農薬を使って恩恵を受けるのはただ一人。農薬を作って販売する会社だけです。

農家自身や消費者の健康被害はもちろん、生態系、何の関係もない動植物など全てが農薬の犠牲者となるのです。

 

それでは、どうしたら農薬散布がなくなるのでしょう?

 

多少の傷や虫食いを認める社会に

基本的に農薬を使わずに野菜を作っている方の多くは、宅配など自分で理解のあるお客様を見つけて、その方のために野菜を作ります

私のように、レストランを経営している農家もいます。

 

私達、農薬を使わない農家が一番苦労するのは、理解のあるお客様を自分で見つけることです。

 

もし、消費者が野菜の傷や虫食いを当たり前のように受け入れてくれる社会であれば、農薬はなくなります

そして、農薬を使用しない野菜がたくさん市場に流通し、誰でも安全な野菜が食べられると思うのです。

 

虫食いや傷が全くない綺麗な野菜は消費者にとって当たり前でも、僕ら農家から見ればありえないくらい不自然なことです。

 

そんな農薬を一番使いたくないのは、農家自身なのです。

 

まとめ:とは言え、生産者も努力が必要

とは言っても、当然、農家自身も「農薬を使っていないので買って下さい」と言うだけでは消費者の心を掴むことはできません。

 

やはり、農家の方も一般企業と同じように売る努力が必要です。

農薬を使用せずに作る、自分の野菜の魅力や物語を伝えることがとても重要です。

 

農家一人ひとりが、理解してもらえるように地道な活動をしていくことも、農薬の使用量を少なくする一つの手段だと思います。

 

農薬を使わなくても、農産物を快く売り買いできる社会。

素敵ですよね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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