SNSハイライトのコーナーです。
今回は、「自分の売りたい農産物を売ることの間違い」について深掘りしたいと思います。
先日、僕は以下のツイートをしました。
有機農業を志す方は、誰に農産物を買ってもらうか考えた方がいい。なぜなら同じ顧客でも、子育ての家庭・飲食店・食が原因で病気の方・独身OLなど属性は様々で訴求の仕方が異なるから。有機農業も自分が売りたいものではなく、消費者が望むものを売る必要があります。有機野菜を作れば売れるは間違い。
— よしき@農業を幸せなビジネスに (@inakaman2021) October 8, 2021
農家だけに限った話ではありませんが、消費者が求めていない商品を売ろうと頑張っている方があまりにも多い。
そう感じるのは僕だけでしょうか?
偉そうに言っている自分も、実はコレで失敗しているんです。
今回は、自戒の念を込めて記事にしますので、これから「農業で農産物を売っていこう」と思っている方は、ぜひ最後までお付き合いください。
【失敗1】有機農業で安全な農産物を作れば売れる←でも駄目だった話
僕は脱サラ後に有機農業をしようと思いました。
理由は以下のとおりです。
・今の時代、化学肥料や農薬を使わない安全な野菜が求められている
・しかも多くの農家がJA出荷で慣行農業なので競争相手が少ない
・栽培技術さえマスターし安全な野菜を作ることができれば、消費者は喜んで買ってくれる
このように仮説を立て、畑に這いつくばって一生懸命に有機農業で安全な野菜を作っていたわけです。
でも、信じられないことに、全く売れなかったんですよねW
【失敗2】有機JAS認証を取得すれば売れるようになる←でも駄目だった話
そして、僕はあることに気付きました。
よく周りを見渡せば、無農薬栽培などを謳って農産物を販売している農家が非常に多かったんです。
自分が考えることは、他の方も同じように考えるものです。
そこで、ライバル農家に差をつけるために取得が難しい有機JAS認証を取得しました。
日本国が法律でオーガニック基準を示した認証制度ですね。
認証を取得した結果どうなったか?信じられないことに全く売れませんでしたW。
結局、自分に足りなかったのは消費者視点だった!
こんな感じで脱サラ農業後、自分の作る有機野菜が売れず、ずーっと悩んでいたんですよね。
であるとき、「誰が自分の野菜を欲しがってくれるんだろう?」って考えるようになりました。
僕はこれまで、「有機で作った安心・安全な野菜」であること(=スペック)を一生懸命PRしていたんですよね。
頭の整理のために、図解してみました↓
そう、消費者はどの安全な野菜を選んでいいか分からなくなっているのです。
つまり、「自分が野菜を売りたい消費者が誰なのか?」
これを設定せず、闇雲に安全・安心な野菜であること(=スペック)のみを訴えていたわけです。
そこに、消費者の悩みの知ることや、僕の野菜を食べて見ることのできる未来の提示がなかったんです。
そりゃ、売れるはずがありませんよね。
顧客を絞り込みことで野菜が売れ出した!
それが分かり、僕は、子育て世帯向けに有機野菜をPRすることにしたんです。
なぜなら、自分が有機農業を志したのは、自分の子供と家族に「安全な野菜を食べてもらいたい」と思ったからです。
なので、子育て世帯の悩みが手に取るように分かるんですよね。
後は、子育て中の母親に刺さるようなメッセージを発信し続けるだけです。
その結果、今の僕のお客様の6割以上は子育て世帯の方になりました。
✓自分も子供が生まれて「食」を気にするようになった(←共感を得る)
✓今、口にしているものが将来のお子さんの健康につながる
✓子どもを連れて安全な野菜をスーパーやネットで探し回るのはしんどい
などなど、より具体的に子育て中の母親に寄り添う発信を2年間くらい続けたんです。
僕の場合は子育て世帯でしたが安全な野菜を求めているのは、
✓オーガニックレストラン
✓大病を患い食生活に気を配っている方
✓独身OLで美容に有機野菜を取り入れたい方
など、さまざまです。
自分が売りたい有機農産物を不特定多数に売るのではなく、上記のような個々に合った安全な農産物を売る必要があるんですね。
今回は、自分の失敗を嘆いたツイートなのでした。
あなたはいかがですか?自分の売りたい安全な農産物を売っていませんか?