✓畑を借りたが土中に残った残肥料を取り除く方法を知りたい
✓土づくりで大事な考え方は?
✓国家規格である有機JASでも使用できる肥料があるって本当?
上記は、有機農業初心者によく聞かれる質問ですね。
有機農業初心者には、なかなか分かりずらい世界かもしれません。
今回は、このような土と肥料についてのアドバイスを有機農業の観点からさせていただきました。
✓クリーニングクロップを使って土中に残る過剰な肥料をほ場外に持ち出す
✓雑草や野菜の残さなど、ほ場内の窒素分を外にできるだけ持ち出さない
✓日本の有機JASは海外と比較すると基準が緩い(使用可能な肥料に矛盾がある)
といった部分に言及しています。
土の問題として質問させてください。
1.過去に肥料与えすぎて窒素過多になった土地で栽培始める場合、何か解毒・中和?して土を良くする方法ありますか?
2.土を良くするために大事な事ありますか? 栽培始める前に土作りをしたいので。
3.有機JASで認めてる農薬があるとの事、仮に肥料がサプリなら、JASが認める肥料もあるのでしょうか?
宜しくお願い致します。
Aさん こんにちは^^
一つずつ回答しますね。
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1.過去に肥料与えすぎて窒素過多になった土地で栽培始める場合、何か解毒・中和?して土を良くする方法ありますか?
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試したことはないのですが、僕だったらクリーニングクロップを試します。
いわゆる養分吸収性の高い牧草(トウモロコシ、ソルゴーなど)を畑にまき収穫してほ場外に持ち出すのです。
当然、この際は無肥料で土に蓄積されている窒素肥料を吸わせるイメージですね。
後、湛水処理(水をためる)もあるでしょうが、畑の場合は難しいかもですね。
※湛水の場合は地下に流れ汚染の原因となるので、最近はクリーニングクロップが主流だと思います。
後日、このチャット内でもお伝えしますが、窒素過多は病害虫の原因にもなります。
つまり、農薬が必要になるということですね。
なので、有機農家においては、土中の窒素過多は最新の注意を払う必要があります。
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2.土を良くするために大事な事ありますか? 栽培始める前に土作りをしたいので。
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一番よいのは、その畑に生えた雑草やその畑で採れた野菜の残さなどを活かすことですね。
これらを堆肥にしたり、土中に埋め込んだりして有効活用するのです。
つまり、ほ場内の窒素分を外に出来るだけ持ち出さないことですね。
堆肥化したり残さを畑に残したりすることで、窒素などの養分を可能な限り循環させるようにします。
実は雑草も、意味があって生えていることが多いです。
例えば、酸性が強い土壌ではアルカリ成分の高い雑草などが生えてきて、刈り倒しを繰り返していると酸度の矯正が終わりその雑草は役目を終えて生えてこなくなります。
自然界は不思議ですよね^^
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3.有機JASで認めてる農薬があるとの事、仮に肥料がサプリなら、JASが認める肥料もあるのでしょうか?
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はい!
有機JASで使用可能な肥料は、かなりあります。
僕らJAS検査員の間では別表1肥料と言われています。
※JASを解説した資料で別表1と言われるものがあります。
化学的な工程を経て作られていないため、化学肥料とは異なるものですが、日本の基準は甘いんですよね。
例えば、JAS認証の堆肥なんて、ほぼ100%近い有機農家が使っています。
※僕がほ場の検査に行く農家さんもほぼ100%使っています。
でもどうでしょう?
堆肥は家畜の糞尿から作られるもの。
日本の家畜は工場型畜産と言って、効率性を求めるため過密な空間で飼育されています。
したがって病気になりやすいんですよね。
なので、抗生物質等の薬剤投与が半端ありません。
また、家畜に与える餌は多くが海外から輸入される遺伝子組み換えトウモロコシが使用されています。
つまり、薬剤や遺伝子組み換えが体内に入りそれらの糞尿を堆肥化したものを農地に投入していることになるのです。
JASでは化学的な処理、遺伝子組み換えのナタネ油粕等の肥料資材の使用を禁止しています。
しかし、間接的にこれらが含まれる堆肥などは規制していないんです。
僕はこれが嫌なので、自分の畑には動物性堆肥は入れたことが一度もありません。
※ちなみにですが、オーガニック先進地のEUでは堆肥まで厳しく規制されています。
ちょっとマニアックな話になりましたが、一般の消費者は決して知らないことだと思います。
だから、僕は「有機JASが最も安全」とは言いたくありません。
お野菜は、信頼できる農家さんが作るのが大前提です。
有機JASのような資格や、自然農などのような農法なんて信じていたら駄目ですね^^
以上、回答になります。
Aさんの参考になれば幸いです^^
上記は、僕が運営している無料のコミュニティ「零細個人農業者の勉強部屋(経営力UPを目指す!)」でのやり取りです。
参加に興味のある方は、以下の記事をご覧ください。