食と農が切り離された悲劇~クレームから見えてくる今の食事情

こんにちは。

やさいの庭 Chiisanateのオーナー 兼 有機野菜を作っている高城です。

 

とある本を読んでいると、「食の基礎知識を知らない人々」という見出しで、食に対する消費者の知識があまりに低いといったことが書いてありました。

 

 

その本によると、3日前に刺し身を購入したお客様から「お宅は腐った魚を売っているのか?」と電話でクレームがありました。

お店側が、刺し身の賞味期限は原則その日であることや、少し時間が経ちすぎたのでは?

 

とやんわり指摘すると、

「新鮮であれば一日や二日過ぎても大丈夫だろう」と怒鳴られたと書いてありました。

 

 

「新鮮であれば長持ちする」という消費者の頭にある間違った情報が、このようなクレームの原因となったのでしょう。

この事例の他にも、常識があれば信じられないようなクレームが最近多いようです。

 

 

私達消費者は、スーパーに行けば、当たり前のようにたくさんのお野菜や果物、お肉や卵を購入できます。

 

それらが、畑でお日様を浴びながら成長したことや、飼育されて生きていた動物であったことなど感じる消費者はそう多くありません。

 

 

食卓と農業の生産現場が切り離されて見えなくなってしまったのです。

 

 

その結果、私達消費者は「食」についてどこで、誰が、どのように作る(育てた)のかを考えることをしなくなり、それが時として信じられないクレームに繋がります

 

 

今日は、食と農が切り離された悲劇と題して、消費者のクレームから見えてくる今の食事情例を挙げながらお話していきます。

 

スポンサーリンク




ぶどうに種があり食べにくい

これは、私が学生の頃、スーパーの青果コーナーでアルバイトをしていたときの話です。

 

30代後半の女性が、ぶどうを手にして身振り手振りで店長に一生懸命、何かを訴えています。

何だろう?と思って、商品を並べをするふりをしながら会話を聞いていました。

 

 

その女性は、今日、このお店で購入したぶどうに大きな種が入っていて、食べにくかったことを店長に話していました。

私はこのクレームにとても驚きましたが、店長もとても困った様子です。

 

 

結局、「種が無いぶどう」との交換で対応したそうです。

店長の話によれば、その女性はぶどうには元々種がないものと思い込んでいたそうです

 

 

あなたは、このクレームを聞いてどう思われますか?

 

 

普通、植物は子孫を残すために種を残します。

 

ぶどうに種がないのは、消費者が食べやすいように、植物ホルモン(ジベレリンというお薬)処理をしているからです。

 

種がないぶどうは、人間が薬品処理によって強制的に種ができない(=子孫を残せない)ようにしたものです。

 

 

つまり、ぶどうは種があることが普通であって、種がないことの方が特殊なのです

 

 

冷凍食品から魚の骨やエビの殻が・・

本で読んで驚いたことですが、最近の冷凍食品メーカーには次のようなクレームが寄せられるそうです。

 

「冷凍の魚のフライから骨が出てきた」

「エビ入りのシューマイにエビの殻やヒゲが混じっている」

 

まさに、食べものが元々生きものだったことを忘れているクレームだと思います。

 

 

水揚げされたお魚やエビは、食品工場に運ばれ冷凍食品として加工された後、スーパーに並びます。

 

消費者は綺麗にパック詰めされた商品しか見る機会がなく、いつの間にか生きものの命をいただいているという認識が薄れていきます

 

 

子どもたちが、命を頂いていることに感謝せず食べる世の中にならないか?

 

 

私はこのことをとても心配していて、今年の2月に、命をいただくことの意味を考える食育講座を行いました。

 

※詳しくは、「いただきます」の意味を考える!~命をいただくということ~に記載してありますのでご参考下さい。

 

頂いたきゅうりに農薬が!

最後にもう一つの事例。

これは知人から聞いた話です。

 

 

いただきもののきゅうりに、白い粉がついていて嫌な思いをしたと言うのです。

きゅうりをくれた方は、農薬を使わず大事に育てたとのこと。

農薬(白い粉)が付いているのに、平気で嘘を疲れたことも嫌だったようです。

 

 

でも私は思うのです。

 

これは恐らく「ブルームきゅうり」といって、生育中に白い粉が付くきゅうりだったはずだと。

 

農薬のような白い粉はきゅうりの生理現象で、きゅうり自身から分泌される天然物質(農薬ではありません)です。

 

決して人間の身体に害を及ぼすものではありません。

 

 

昔もきゅうりは、「ブルーム(=白い粉がある)きゅうり」でした。

白い粉がついた昔のきゅうりは、粉が水分蒸発を防いでくれるので、みずみずしさがありとても美味しかったです。

白い粉にもしっかり意味があったのです。

 

 

最近は、この白い粉が農薬に見えるとのことで、品種改良を行い白い粉が付いていないきゅうりが多く見られるようになりました。

 

消費者ニーズに合わせ、白い粉がでないきゅうりを作り出したのです。

 

 

今、私たちが食べているきゅうりのほとんどは、品種改良されて白い粉がでないきゅうりです。

 

まとめ

いかがでしたか?

もしかしたら、あなたにも知らないことがあったかもしれません。

 

 

最近は、お金さえ払えば好きな食べものを、いつでも、好きなだけ買えます。

当たり前のように感じますが、これを決して当たり前と思って欲しくありません。

 

 

食卓に食べものが届くためには、必ず、農業の生産現場があります

 

 

そこでは、生産者が大切に命を育て収穫(捕獲)することから全てがスタートします。

 

食と農が切り離された今、私達は決してこのことを忘れてはいけないと思うのです

 

食と農は本来、鎖のように密接に繋がっていて、私達の生活の土台になっているのですから。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする