ネオニコチノイド系農薬って何?危険なのになぜか基準を緩和する日本

こんにちは。

やさいの庭 Chiisanate(ちいさなて)のオーナー 兼 有機野菜を作っている高城です。

農家の間では有名な、ネオニコチノオイド系農薬(通称:ネオニコ系農薬)

今、世界中で最も広く使われている殺虫剤です。

今、世界のトレンドは脱ネオニコ系農薬です。

フランス、オランダ、ブラジル、カナダ、韓国など多くの国は、

・ネオニコ系農薬の全面禁止

・野外での使用禁止

・既存農薬の変更登録禁止

など、次々とネオニコ系農薬を使用できないように国として動いています。

理由は簡単で、環境や人体に大きな影響を与えることが分かっているからです。

どのような悪影響を与えるかは記事の中でお話します。

日本ではどうでしょうか?

あなたは、世界がそうなら、日本も禁止の方向で動いていると思ったのではないでしょうか?

残念ながら、日本は世界とは逆行して禁止するどころか、2015年にはネオニコ系農薬の食品残留基準を緩和しました

今日のお話は、危険なのに日本で使われ続けるネオニコチノオイド系農薬についてです。

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農薬の歴史

いきなりネオニコ系農薬の話をしても、一般の方はチンプンカンプンだと思うので、簡単に農薬の歴史をお話ししておきます。

戦前は化学農薬がなかったので、防虫菊(蚊取り線香ですね)やタバコのニコチンといった天然成分で殺虫していました。

戦争中に様々な毒ガスが兵器として開発されます。

戦後には、その毒ガスの製造技術を駆使して化学農薬が登場するようになります。

※ちなみに化学肥料は、「戦争で使う爆弾を作る過程から生まれた」と言われています。

戦争と農業とは関係しているのですね

初期の化学農薬は有機塩素系有機リン系の農薬でした。

有機塩素系農薬はDDTやクロルピクリンなど、神経毒性が強烈すぎる農薬です。

その毒性から、今では使用禁止になった農薬も数多くあります。

ベトナム戦争で、空中から枯葉剤として散布したのも有機塩素系農薬でした。

有機リン系農薬は有機塩素系に続いて開発された農薬です。

これも毒性がとても強く、事故が多く発生したため、例えばパラチオンのように、現在は使用禁止になっている農薬もあります。

日本でも有名になった、サリンも有機リン系化合物の一つですネ。

有機塩素系や有機リン系があまりにも強烈だったので、より安全な農薬を、ということで開発されたのがネオニコチノオイド系農薬です。

有機塩素系→有機リン系→ネオニコチノイド系へと一応、農薬についても、安全性を考慮して開発されているようです。

ネオニコチノイド系農薬とは?

有機塩素系や有機リン系に比べて、安全と言われているネオニコ系農薬。

でも、少量ならば人畜に影響がないと言われているだけで、無害ではないのです。

ニコチンに似た成分をベースとするネオニコ系農薬は、洗っても落ちない高い浸透性長期に残留する残効性、神経を撹乱する神経毒性があります。

有機塩素やリン系の農薬より安全で、少量で長持ち、散布回数も減らせるため環境にもやさしい。

そんな理由で1990年代から使用量が急増しました。

農家からすれば、「ネオニコ系農薬は減農薬で安心」と思うようになったのです。

怖いネオニコ系農薬の影響

安全で環境にもやさしいと言われていたネオニコ系農薬。

ですが、広がっていくのと時を同じくして、1990年代から世界中で害虫でないミツバチの大量死や大量失踪が報告されるようになります。

その一つの原因が、ネオニコ系農薬と言われているのです。

ミツバチだけではありません。

学術誌に発表された論文によると、国内でのサンプル調査で、3歳児の尿中にネオニコチノイド系農薬の代謝物が高い割合で検出されたとのこと。

新生児の尿からも、ネオニコ系農薬が検出されたという報告もあります。

これは母親が暴露したネオニコ系農薬が、胎盤を通過して胎児に伝わっていることを意味します

※ネオニコチノイドの母体から胎児への移行に関する論文については、こちらをご参考下さい。

その他にも最近では、ネオニコ系農薬は子供の発達障害にも影響することが懸念されています

これらの事態を重く見たフランス政府は、2020年からネオニコ系農薬を全面禁止する予定です。

ネオニコ漬けの日本

野菜やお米などの食べる農産物はもちろん、お茶などの飲み物、室内の殺虫剤、シロアリ防除剤、松などの樹木防除、ペットのノミとり剤・・・・

日本では、普通に生活しているだけでネオニコ系農薬に暴露する機会がとても多いと思います。

恐らく私も、そしてこれを読んでくれるあなたもネオニコ系農薬に暴露している可能性があります。

日本ではよほど注意して生活しない限り、ネオニコ系農薬の暴露を避けられないようになっているのです。

それなのに、日本はネオニコ系農薬の残留基準を引き上げたり、新たなネオニコ系農薬の登録を許可したり、規制を強めるどころか次々と緩和しています

なぜでしょう?

それは私にも分かりません。

規制を緩和することで恩恵を受ける業界や団体、個人がいるからでしょうか?

まとめ

ネオニコ系農薬が違法なわけではありません。

 

基準をしっかり守り、国から「安全性は確認済み」というお墨付きを得てから市場に出回っています。

農薬メーカーは「定められた用法用量で使用すれば、毒性や環境への負荷は低い」と回答するでしょう。

 

 

自分も農業をしている人間なので、農家が農薬を使いたくなる気持ちもよく分かります。

※「危険な農薬をなぜ使う必要があるの?畑で考える農薬のお話」で詳しく書いているのでご参考下さい。

 

 

しかし、世界情勢や各界からの懸念の声、各種論文などが、ネオニコ系農薬はもはや使うべき農薬ではないことを示しています。

 

 

日本がこのような状況になっていることをご存知の方は多くないと思います。

多くの日本人には、国産安全神話が刷り込まれているようですが、悲しいことに「国産=安全」はとっくの昔に終わっているのです。

 

 

日本という国は、あなたやあなたの家族の健康を守ってはくれません。

国民一人ひとりが、自分の身体を守るように考えて生活する必要があります。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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