豚コレラはなぜ発生?ワクチン接種では解決しない日本型畜産の問題

オーガニックレストラン「やさいの庭 Chiisanate(ちいさなて)」を経営しているyoshikiです。

豚コレラのワクチン接種や殺処分など、豚コレラについて調べている方向けの記事です。

この記事では以下の疑問に答えます。

・そもそも、なぜ豚コレラは発生し拡散していくのか

・豚コレラは殺処分やワクチン摂取で解決する問題なのか?

 

 

結論から言えば、豚コレラは免疫力が低下した不健康な豚が感染します。

そして豚コレラ問題は、殺処分やワクチン摂取をして一旦収束しても、数年後に必ず発生します。

 

あなたがこの記事を読み終わる頃には、メディアの報道とは違った豚コレラのそもそもの原因が分かるはずです。本記事ではアニマルウェルフェアの観点から以下の内容で、豚コレラの原因を探っていきます。

 

✔本記事の内容

・豚コレラは殺処分やワクチンで解決するのか?

・豚コレラはなぜ発生?ポイントはアニマルウェルフェア

・日本の畜産を見直す時期

 

それでは早速、今日のお話を進めていきましょう。

 

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豚コレラは殺処分やワクチンで解決するのか?

先日の新聞に「豚コレラ、ワクチン接種開始 まず10県・120万頭」という見出しがありました。

2018年の9月に岐阜県で発生が確認されて以来、感染の拡大に歯止めがかからず13年ぶりにワクチン接種が決まったとのことです。

 

 

・報道の論点がズレている

連日、テレビや新聞などのメディアは以下のような報道をしています。

 

・なぜ、接種をすれば感染を防ぐことの出来るワクチンを使わないのか?

・ワクチン接種のメリット・デメリット

・感染経路や各県の対応や、今後の日本経済への影響

 

なぜ、このように大量の豚たちが感染し、その拡大に歯止めがかからないのか?

そもそもの根幹にスポットを当てた取材や報道が少ないのです(これは、鳥インフルエンザや口蹄疫のときと同様でした)。

 

 

・発生原因は劣悪な飼育環境による免疫力の低下

豚コレラ問題は、殺処分やワクチン摂取をして一旦収束しても、数年後に必ず発生します

過去に日本で流行した口蹄疫や鳥インフルエンザも、豚コレラと同じでいつか必ず日本で流行するでしょう。

 

その理由は、「家畜の飼育方法の改善」という根本的な問題の解決をしていないからです。

詳細は後述するとして、日本で飼育される家畜の生育環境はとにかく酷いの一言です。

 

感染源を特定するのも大事ですが、実は、劣悪な環境で飼育されることによる免疫力の低下が豚コレラ感染の大きな要因なのです。

 

豚コレラはなぜ発生?ポイントはアニマルウェルフェア

このセクションでは先程話した、『豚コレラの発生の原因となる日本の劣悪な飼育環境』についてさらに深く見ていきます。

 

 

・日本型畜産と養豚現場の現状

昔の日本の畜産は、各農家がごく少数の家畜を簡単な畜舎に入れて飼養し、人間が残す残飯などを与えて育てていました。

この時期の家畜は心身ともに、今より健康だったはずです。

 

1960年以降、国の政策によって、畜産業界は規模拡大や機械化等による生産性の向上・効率化が求められるようになりました。

今では日本の畜産は工場式畜産と呼ばれ、狭い畜舎に大量の家畜を閉じ込め(超過密飼育)、大量の人工飼料や薬剤投与で育てられます。

 

安全性は二の次で生産性や効率性が重視される畜産経営なのです。

このような工場式畜産を、養豚の現場に落とし込むとどうなるのか?

・子どもを産むためのメス豚が自分の体とほぼ同じ大きさの鉄の柵(妊娠ストール)に入れられて、拘束飼育される。

 

・鉄の柵(妊娠ストール)は、首を曲げることはおろか、真横を向くことや、身体を回転させることも出来ずその檻の中で一生を過ごす。

 

・雄豚なども狭い畜舎にぎゅうぎゅうに詰め込まれ、自由に走り回ることが出来ない状態で飼育される。

 

・コンクリートの上で身動きがとれず自分の糞や尿にまみれ決して衛生的とは言えない環境。

 

・このような不衛生な環境と、自由に動き回れないストレスで病気になりやすので抗生剤等の薬剤を投薬。

 

豚は本来とても綺麗好きで、活発に動き回り好奇心旺盛な動物です。

その豚の本来の習性を奪うことによって、心身ともに不健康な豚を育てているのです。

 

今回の報道では、「野生のイノシシ」が原因とされています。

しかし、豚コレラが発生し感染の拡大に歯止めがかからないのは、そもそも病気になりやすい環境で飼育をしているからなのです。

 

豚コレラは不健康な豚が感染するのです。

 

【関連記事】

実際にアニマルウェルフェアを実践している養豚農家から、聞いた貴重な話を以下の記事でまとめています。

 

 

・アニマルウェルフェア飼育が病気に強い根拠

「豚コレラは不健康な豚が感染」と言い切りましたが根拠があります。

職業柄、私は様々なこだわり生産者と知り合う機会が多いのですが、皆さん一様に同じことを言っているのです。

 

<放し飼いの採卵鶏農家の話>

鳥インフルエンザが大流行したとき、うちは放し飼いをしていたが1匹も鳥インフルエンザには感染しなかった。

薬も一切投与していない。

鳥インフルエンザに感染する鶏は、人間がインフルエンザにかかるのと同じで免疫力の低下と、過度な密度で飼育するためである。

 

<森林放牧養豚農家>

うちの豚は薬を一切投与しないし、山の中で自由に遊ばせているので、免疫力が高く全く病気にならない。

豚が病気にかかるのは、家畜にとって問題ある飼育をしている人間が原因を作っている。

ストレスなどで、免疫力が低下している豚はどんな病気にもかかる

 

この生産者達は、自身の経営でアニマルウェルフェア(家畜福祉)を強く意識しています

アニマルウェルフェアとは、家畜の尊厳を守りストレスなく健康的な飼育をすることです。

 

日本の工場式畜産とは真逆で、生産性や効率性は全くありませんが、家畜が心身ともに健康で病気に強いことを現場の農家が証明しています

 

~参考~

アニマルウェルフェアについての詳細は、以下の記事で解説しています。 

 ⇒⇒求められる家畜のアニマルウェルフェア!家畜の5つの自由を叶えよう

日本の畜産を見直す時期

今回の豚コレラ事件は、日本の工場式畜産を見直すきっかけを与えてくれました。

生産性や効率性重視の畜産経営から、アニマルウェルフェア重視の経営に転換していく必要があります。

実は、東京五輪の食の問題で世界も日本に「アニマルウェルフェアをもっと頑張って真面目に取り組んで」と注文を付けています。

【関連記事】

東京オリンピックのアニマルウェルフェア問題は、以下の記事で詳細に解説しています。

 ⇒⇒東京オリンピックのアニマルウェルフェア問題、日本の現状に悩む海外

病気に強く健康な家畜は、それをいただく私達人間も健康にしてくれます。

今、世界が望んでいるのは、アニマルウェルフェアを考慮して育てられたお肉や卵なのです。

まとめ

今日は、メディアがあまり取り上げることのない観点から、豚コレラがなぜ発生するか考えてみました。

 

結局、今回の豚コレラや過去の鳥インフルエンザや口蹄疫も、人間自身の飼育方法の問題が根っこにあります

家畜の尊厳を無視した飼育のしっぺ返しかもしれません。

 

私達も「劣悪な環境で飼育された不健康なお肉や卵」を選ばないためにも、以下のことを考える習慣をつけましょう。

「このお肉や卵は、どのように育てられたのだろう?飼育中は幸せだったのかな?」

参考:アニマルウェルフェアを日本に広めるためには、私達消費者が鍵を握っています。以下の記事で紹介していますのでご参考下さい。

 ⇒⇒進まぬ日本のアニマルウェルフェア:消費者が握る進展の鍵

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

【関連記事】

世界のアニマルウェルフェアと比較して、日本の現状を以下の記事でまとめています。

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